大の里にライバル心メラメラ!「稽古で涙」熱海富士、7月名古屋で爆発の予兆

 大相撲夏場所の千秋楽で隆の勝に敗れ、結局7勝8敗と負け越した熱海富士。潜在能力は高いのに前半戦で6敗を喫するなど、何ともポカが多い力士である。

 熱海富士は角界随一の厳しい稽古で知られる伊勢ケ濱部屋に所属。伊勢ケ濱親方は熱海富士、尊富士という新世代の個性派力士を指導している。相撲担当記者が言う。

「ふたりとも将来の相撲界を背負って立つ逸材です。とりわけ今場所、熱海富士が優勝した大の里と当たった一番は気迫がほとばしっていた。最後に逆転されてしまったが、見ているこちらの体が思わずわず動いてしまうほどでした」

 熱海富士は東前頭筆頭だが、来場所は西前頭筆頭に移ると見られる。

 一方、大の里はこのぶんだと、今年中に大関に昇進しそうな勢いである。その背中を追うライバルの熱海富士の心中は穏やかではないはずだ。

「部屋には稽古相手がいっぱいいて、親方の目が厳しいので、息を抜くこともできない。伊勢ヶ濱親方や横綱照ノ富士からの指導に涙をにじませるような場面もある。そうした積み重ねが少しずつ力となって表れ、得意とする右四つの相撲も洗練されてきた。部屋は若貴兄弟がいたかつての二子山部屋のような雰囲気です」(同)

 ちなみに、二子山部屋はタニマチが豊富で、チャンコや副菜も豪華だった。いまの伊勢ケ濱部屋には、それと同じような雰囲気がある。

「熱海富士は取りこぼしさえ減らせれば、三役に上がれる力がある。とにかくもったいない相撲をなくせるように、黙々と稽古をやるだけですね」(同)

 昨年11月の九州場所では11勝4敗の成績を収め、秋場所に続いて優勝争いを演じた。初優勝は逃したものの、2場所連続で敢闘賞を受賞。夏場所は大の里の影に隠れたが、十両優勝した相性のいい名古屋で、今度こそ初優勝が見えてくるかもしれない。

(蓮見茂)

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