大の里「一強時代」の幕開けか 豊昇龍、横綱昇進直後に日本国籍取得準備の「異例」

 大相撲の横綱・豊昇龍が5月22日、将来的な日本国籍取得に向けて準備を進めていることを師匠・立浪親方(元小結旭豊)が明かした。

 外国出身の歴代横綱で帰化したのはハワイ勢の曙、武蔵丸、モンゴル勢の白鵬、鶴竜、照ノ富士に次いで6人目だ。

「外国出身力士にとって日本国籍取得はナイーブな問題です。だから引退間近に帰化を決断することが多い。豊昇龍の場合、横綱に昇進したばかり。異例です」(相撲記者)

 立浪親方によれば「23年の大関昇進前から思いは聞いていた」という。豊昇龍は今場所後にモンゴルに帰国して母国の大統領に日本への帰化を報告する予定だ。

 日本国籍を取得しなければ、引退後はいくら横綱でも相撲協会に残ることができない。

「これに『おかしい!』と噛み付いたのが宮城野親方(元横綱白鵬)でした。過去20回以上優勝した横綱には『一代年寄』の地位が与えられてきたので、それを適用してもらおうと宮城野親方はさまざに画策を行いましたが、逆に八角理事長から嫌われてしまった」(相撲ライター)

 豊昇龍は帰化申請が明らかになった22日が26歳の誕生日。立浪親方は「(帰化申請について)あまり騒ぎ立てないでほしい」とコメントしていた。取り組みでは同じモンゴル出身の霧島の投げを食らって3敗目。支度部屋ではノーコメントだった。

「今場所の大の里は無敵です。13日目まで土つかずで優勝を決め、横綱昇進は確定的。豊昇龍は何とか3敗を守りましたが、この調子では早々に引退するんじゃないかという声まで出ている」(相撲協会関係者)

 大の里「一強時代」の幕開けとなるか。

(小田龍司)

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