大相撲春場所は3月23日に千秋楽を終え、大関・大の里が高安との優勝決定戦を制して3度目の優勝を果たした。
この日、大の里が結びの一番で迎えたのは琴櫻との大関対決。取組を前に、実況アナウンサーは、「大の里の3勝、琴櫻の4勝」と過去の取組結果を紹介し、「胸であたることが多くて、大の里の圧力、出足が上回るか、琴櫻は左の上手にかかるか。左からの小手投げで相手の出足を利用しながら投げるという相撲がありました」と述べると、テレビ解説を務める舞の海秀平氏は、「大の里も今日はどっちの大の里が出るか。見ものですね」とコメントしてこう続けた。
「今場所ここまできましたけど相撲内容は安定感がないですからね」
実況アナウンサーが「序盤は前へよく出ていたと思うんですけど、舞の海さん。中盤から引き技、まともなはたき込みがちょっと多かったですね」と返すと、舞の海氏は「そうなんですよ。琴風さんの言う“毒まんじゅう”ですよ」と述べ、「毒まんじゅうを食べるんですよね」と繰り返した。
専属解説者で元大関の琴風浩一氏も「ラクして勝ちたくなってくるからだと思うんですよね。あれ(引き技)が出ると、相撲の流れが、その一番だけじゃなくて、勝ってても引くことが頭にあるので、展開が悪くなるんですよね」と話していたが、この取組で大の里は琴櫻を見事な立ち合いから寄り切りで勝利を収めた。
「琴風さんはスポーツ報知に寄稿していて、記事ではたびたび『毒まんじゅう』という言葉を使って、苦し紛れの引き技を批判しています。春場所12日目で、大の里が2敗同士で並んでいた尊富士をはたき込みでくだした一番に触れ、『大事な一番で大の里は“毒まんじゅう”を出したが、立ち合いの当たりが10%の解毒剤に』と書いています。舞の海さんはこの記事を読んでいて、『毒まんじゅう』という言葉で琴風さんの名解説を引き出したかったのでしょう。これまでの解説が、『高安びいき』と言われていただけに、ネット上では『大の里を叩かないで』『毒まんじゅうはアカン』などと大関のファンをザワつかせる結果となりました」(メディア誌ライター)
大の里には「毒まんじゅう解説」を発奮材料に綱取りを目指してほしい。