大相撲夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)の番付で大の里が東の正大関に座った。大関4場所目で初の横綱昇進を目指す場所となる。
「そればかりではありません。初土俵から所要13場所で横綱となれば、昭和以降最速。新入幕からでは9場所目となり、これも年6場所制となった1958年以降では大鵬の11場所を抜くとんでもない記録です。とは言っても本人は、昭和の大横綱・大鵬さんを知らないというか、生まれてもいないのですが」(古参の相撲記者)
初土俵から1度も負け越しがない大の里。相撲協会でも日本出身横綱の誕生は長年の悲願だ。
「協会を退職した貴乃花が現役引退した平成15年初場所から和製横綱は稀勢の里しかいません。22年間で1人だけです。これはもう異常事態を通り越している」(協会関係者)
大の里への期待は尋常ではないのだが、相撲記者は「春の巡業での稽古量が足りていない。2日の稽古総見でもまったくもって精彩を欠いていた」という。大の里自身は「基礎からしっかりやっていく」と、これから本格的に仕上げていくと話していたが、和製横綱誕生は夏場所の前半戦次第ということになりそうだ。
(小田龍司)