堀口氏のクライアントはおよそ30名ほど。裁判所が開示している情報から拘禁者に手紙を書き送れば、本当に支援を求めている人とつながることが可能なのだという。
恐ろしいことだが、堀口氏同様、不当逮捕を主張する人がいるのも事実だ。しかも本人の主張どおり、不当逮捕だと本気で疑われるケースは実に100人中2人はいるというのである。
「ある強大なヤクザの若頭が、オレオレ詐欺の首謀者として逮捕された。が、話を聞けば、その人は当時別件で拘禁されていて、詐欺を実行、指揮できる状況になかった。昨年末に出た1審の判決は6年の実刑だったのですが、本人は実刑と同じくらい長い間、無罪を主張して頑張っています。こういった人にはディスカウントしてでも支援を続けていきたいですね。またオレオレ詐欺では警察が徹底撲滅を目指すほど、こういった冤罪につながりかねないケースが頻発する可能性があると思います」
現時点で、堀口氏が支援するのは拘置所での拘禁者が主だが、この先、拘置所から刑務所へ送られる人が増えることが予想される。今後は、受刑者にもサポートの範囲を広げる予定で、ゆくゆくは受刑者の出所後のサポートも行っていくつもりだという。
「もし読者の方が逮捕されてしまった場合には、完全黙秘することを勧めます。取り調べで一度でも罪を認めてしまえば、『他にこれもオマエだろう』といくつも罪をなすりつけられる可能性があるからです。拘禁者を支援している方も、初めはわからないことも多いと思います。私は拘置所の前の喫茶店などで仕事をしているので、ぜひお声がけください」
今はうまいシャバの空気を吸っていても、明日は我が身。心当たりはなくとも、いつなんどき収監され、不自由な身にならないとは断言できないのだから‥‥。
*週刊アサヒ芸能6月5・12日号掲載
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