大の里を大横綱に導く「5の法則」とは

 大の里が5月28日、日本相撲協会の名古屋場所番付編成会議および臨時理事会を経て、第75代横綱に正式昇進した。初土俵からわずか13場所、入幕からは9場所での横綱昇進は、年6場所制が導入された1958年以降で最速。さらに、日本出身力士としては2017年初場所後に昇進した稀勢の里以来、実に8年ぶりの快挙となる。

 この日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で行われた昇進伝達式では、「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」と、堂々とした口上を述べた。伝達式後の会見では、土俵入りの型について師匠である元横綱・稀勢の里と同じ「雲竜型」を選んだと明かし、太刀持ちに高安、露払いに竜電とベテラン力士を従える意向を示した。

 注目を集める新横綱の誕生に、相撲界からは大きな期待が寄せられている。そんな中、相撲ジャーナリスト・横野レイコ氏は28日放送の「旬感LIVE とれたてっ!」(カンテレ)にリモート出演し、「大の里には“大横綱の系譜”がある」と興味深い説を紹介した。

 それが、“「5」のつく代は大横綱が誕生する”という法則だ。

 横野氏によると、「第75代が大の里関。過去の大横綱には、第65代・貴乃花、第55代・北の湖、第45代・若乃花、そして第35代・双葉山がいる」とのこと。いずれも時代を代表する伝説的な存在ばかりだ。

 これに対して、番組出演のライター・石戸諭氏が「他の大横綱もいるでしょ。ここに入ってない大横綱も。白鵬関はどこに?」とツッコミを入れると、横野氏は「白鵬関は69代なのでまた違うんですけど…。大の里関が豊昇龍関より先に74代になってもおかしくはなかったわけですよね。でも先に豊昇龍関が上がった。75代は相撲の神様が大の里のために導いたんじゃないかなって私は思います」と応じた。

 大の里は現在24歳。正攻法で土俵を支配するスタイルは、「北の湖」「貴乃花」ら“王道型横綱”の系譜とも重なる。横野氏は「75代という節目にふさわしい、神様が導いたような昇進」とまで語った。

 果たして“大の里=大横綱”の予言は現実のものとなるのか。令和相撲界の新たな顔として、大の里の今後の活躍に注目が集まる。

(鈴木十朗)

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