農家への補助金に「なんで農業だけ守るんですか?」古市憲寿氏に批判殺到

 小泉進次郎氏が新農水大臣に就任してコメの価格は下がるのか。5月25日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」では元JA全農常務理事の久保田治己氏をゲストに招いて議論を繰り広げたのだが、社会学者の古市憲寿氏の意見に異論が相次いでいる。

 農協、全農に在籍していた約41年間を振り返り、久保田氏は「我々がいちばん戦った相手は国なんです」と告白。農家の利益を守るために戦ってきたが、どんどん前線を引くことになり、その結果、食料自給率も農家の数も減り続けたと説明し、「補助金みたいなものが減ってきたということです」と語った。そこで元宮崎県知事の東国原英夫氏が「農水省も大変なんですよ。補助金増やしたいんですよ」と指摘すると、久保田氏は「おっしゃるとおり」と返答。しかし、古市氏は「でもそれだと結局、社会主義じゃないですか」と述べてこう続けた。

「社会主義みたいになんで農業だけ守るんですか?」

 東国原氏が「いや、農業だけって…、世界の先進国は全部、補助金ものすごい入る。上げてますからね」と反論するも、古市氏は「でも日本がこれだけ貧乏になっていく中でなんで農業にだけそんな過剰に中央がぜんぶ政策を決めて守ろうってことを決めるんですか?もっとマーケットにまかせればいいじゃないですか」と持論を展開。食料自給率に関しても「なんでわざわざ低い方の自給率(カロリーベース)で言うんですか? カロリーベースっていう。生産額でいえば6割なのに、カロリーベースで4割って、なんでわざわざ低く見せてまで、補助金を取ろうとするんですか?」と疑問をぶつけると、東国原氏は「生産額ベースで国民の食料安全保障は守られませんからね。カロリーなんですよ」とカロリーベースの自給率の重要性を主張した。

 これに古市氏は「食料安全保障っていうのがそもそもよくわかんなんですけど…」と述べて、戦争になって食料以外の物流も止まった際には「(日本は)生きていけないわけですよ」と主張したが、SNSでは《農家への補助金減らせってどこかのレクでも受けてるのか》《日本の全農家を敵にまわした》《こういう輩がいるから日本人が餓死するんだろうな》などと批判が殺到していた。

「農家への補助金を批判した古市氏は、議論の中で『お米はまったく食べないです』と告白。東国原氏は『なにそれ!』と激しく憤っていました。さらに番組終盤では、『関税を廃止して輸入米を安く買えるようにすべき』というアイデアを披露。コメ価格が半分になるまでコメを輸入し続けると宣言すれば、在庫を抱えている業者がコメを放出して価格は下がると主張していましたが、他の共演者から反対意見が続々。そもそも古市氏は“農業だけに補助金を”と批判していましたが、農水省の昨年度の予算は2兆2686億円。対して、政府は半導体および人工知能分野に7年間で10兆円規模の公的支援を行うことを決定しました。農業だけを優遇しているという見方は誤りです」(メディア誌ライター)

 いずれにしても、備蓄米放出をめぐって小泉新農水大臣の手腕が問われそうだ。

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