連続出場新記録・玉鷲が“モンゴル派閥”と距離を置く理由

 大相撲で金字塔が打ち立てられた。幕内最年長の玉鷲(39)が秋場所3日目(9月10日)、初土俵からの通算連続出場記録を1631回として歴代単独1位に。なんと38年ぶりに更新された大記録だ。

 2004年初場所の初土俵から20年以上「無欠勤」を続けている玉鷲だが、実は一昨年の名古屋場所では所属する片男波部屋において新型コロナウイルスの感染者が出た。この時に玉鷲は無念の「途中休場」となってしまったが、自身の故障などではないということで連続出場は継続していた。

 玉鷲はモンゴル出身だが、今年3月に「玉鷲一朗」の名前で日本国籍を取得。土俵内外での評価は角界の中でも高い。

「これまでモンゴル人力士は宮城野親方(元横綱白鵬)を頂点にしたモンゴル派閥がありましたが、ダーティーなイメージがついてしまったのは2017年に起きた元横綱日馬富士による貴ノ岩への暴行事件。モンゴル派と言われる力士たちがほぼ全員参加した飲み会の席で起きたこのスキャンダルは、最終的には貴乃花親方が相撲協会を退職するという形で幕引きになりましたが、その飲み会には玉鷲は出席していなかった。声はかかっていたのですが、見たいテレビドラマがあるからとの理由で断っていたんです」(夕刊紙記者)

 このように玉鷲がモンゴル派閥と距離をとっている理由は、「本人がどうしても情が入ってしまうから」(相撲記者)とのこと。帰化したとはいえ親方株取得のハードルは高そうだが、そんな玉鷲には近い将来、指導者としての道を切り開いてほしいものだ。

(小田龍司)

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