「14ProMax」は25万円!? 円安&インフレで日本の「脱iPhone」が進むか

 7月6日、楽天モバイルがアップルのiPhoneをおよそ2〜4割引き上げた。これは7月1日からアップルが直営店やオンラインでの価格を引き上げたからで、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクもどうやら値上げしそうだ。

 そのアップルでは次のiPhone14の高級プロモデルは100ドル値上げされるともっぱらの評判で、もはやほぼ既成事実のように語られている。その通りならば、14は7月1日に値上げされた13と同じ価格で11万7800円、最高機種のPro Max256GBは100ドル値上げで約18万9800円。さらにPro Maxの1TB(テラバイト)ともなると24万9800円もすることになる。

「インフレで物価が上がると、人々は生活必需品以外の高額商品を買い控えるようになります。iPhoneはだいたい2〜3年で買い換えられますが、14への買い替えはしばらく控えて様子見といった人が増えるかもしれません。iPhoneはブランド力が高くて価格競争力が強いので、あまりシェアが落ちるとは思えませんが、それでも中には型落ちして安くなった機種への買い替えや脱iPhoneの動きも進んで日本の市場では苦戦を強いられるかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 アップルは売り上げの約8割を製品販売で占める。となると2〜4割の値上げは、全体の売り上げに大きな影響を与える。それも日本だけではない。

「インフレによる個人消費の落ち込みで、今年は世界的にスマホとパソコンの出荷台数が減速。アメリカの調査会社のガートナーは、世界最大の市場の中国ではゼロコロナ政策もあって18%の減少、世界全体ではサプライチェーンの混乱もあって7%の減少を見込んでいます」(同)

 さらにアメリカではアマゾンやスタバなどIT企業も含めて組合の結成が相次いでおり、アップルでも6月に組合が結成されて賃上げ圧力がかかり、さらに物流コストがかさむなど苦しい状態が続きそうな気配。日本ではスマホの約4割のシェアを握るiPhoneの比重は高い。

 現在のiPhone13の日米価格で比較すると、1ドル147円の計算になる。なのでこれを超える円安がさらに進めば、次の14は100ドルの値上げでは済まなくなるかもしれない。

(猫間滋)

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