【サッカーE-1】日本の全勝優勝を台無しにしたフジテレビ中継 これではW杯も心配だ

 サッカー東アジアE-1選手権(韓国開催)で、日本代表が韓国を1-0で下し、見事3戦全勝で大会連覇を達成した。日韓戦の初対戦から71年目にして、日本が初の3連勝という歴史的快挙を達成した形だ。

 今大会は両国ともに海外組の招集が不可というルールの中、国内組対決でも日本が圧倒的な強さを見せつけた。「Jリーグにとっても良い結果です」と語った日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は、普段のクールな表情とは一転、笑みを見せた。

 一方で、興行面では失敗とする声が多い。フジテレビが全試合の放映権を取得したものの、優勝した日本代表の表彰式を中継せず終了。さらに、韓国側の観客動員策も不発だった。

「会場はガラガラ。韓国サッカー協会は動員施策に関して完全に無策でした。開催地も当初はソウルが予定されていましたが、K-POPコンサートの多発で芝の状態が悪化し、開催不能となったため地方開催になった経緯がある」(サッカー関係者)

 また、日本戦すべてがなぜか19時24分という中途半端なキックオフとなった理由について、JFA関係者は「NHKの19時ニュースとの競合を避けるため」と打ち明け、「確実に視聴率が取れる時間帯を狙うため、テレビ局は19時開始を避けたのです」と語る。

 だが、こうした編成配慮が、逆に視聴者の盛り上がり不足につながったと指摘する声も多い。

 こうした状況のなか、来年のW杯地上波中継すら危ういとの懸念が広がっている。フジテレビや他の民放局が採算面からサッカー中継に及び腰となり、「代表戦がテレビで見られなくなる時代」が現実味を帯びてきた。

 Jリーグや日本代表の強さとは裏腹に、ファンが“試合を観られない”危機が進行している。中継体制の見直しがなければ、アジア最強のサッカー日本代表も、ファンから“見えない存在”となりかねない。

(小田龍司)

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