派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて、4月23日に自民党が政治刷新本部の会合を開いた。会合では、政治資金規正法改正の具体案をまとめたが、そも内容に世間からは《甘すぎる》《改革になっていない》と猛批判が寄せられている。政治ジャーナリストが明かす。
「たとえば、問題が起きた時に秘書だけでなく、政治家にも罪を問う連座制。これの導入については、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党と公明党が賛成しているにもかかわらず、自民党は『議員の確認が不十分』という条件付きで公民権停止とするもの。企業・団体献金についても野党3党が禁止を訴える中、継続の方向で進んでいます」
この改正案にダメ出ししたのが元衆議院議員でタレントの杉村太蔵。4月24日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」に出演した杉村は「収支報告書の確認」について「確認が不十分だった議員には公民権停止の罰則を科すのがひとつのポイントですよね」と前置きしてこう語った。
「これね、『一歩進んだ』とか『半歩進んだ』って言う人いますけど、まったく進んでないから!断言するから!これどう言うかっていうと『私は確認したんです。だけど秘書が勝手にやったんです』って決まってるんだから。これね、騙されちゃいけない。絶対これではね、一歩どころか半歩どころかまったく進んでない」
政治家がよく口にする「結果責任」という言葉についても、杉村は「自分が任命した会計責任者が不記載やったらその結果に対しては責任を取った方がいい」として“一発連座制”を主張した。これにはSNSでも《太蔵よく言った》《そのとおり!》と賛同の声が相次いでいた。
「裏金問題で派閥の事務所で家宅捜索が行われた昨年12月、杉村さんは『大量の辞職者が出るんじゃないか』と語っていましたが、フタを開ければ辞職したのは逮捕・起訴された池田佳隆元衆院議員と略式起訴された谷川弥一元衆院議員の2人。4000万円以上のキックバックを受けていた大野泰正参院議員は離党しただけで、今も議員バッジをつけています。多くの議員がきちんと責任を取っていない中で、杉村さんが『まったく進んでない』と批判するのも当然かもしれません」(メディア誌ライター)
そもそも甘い蜜を吸い続けてきた自民党に「政治刷新」は期待できないかもしれない。