大の里「未成年力士と飲酒」“強要”報道でも「厳重注意」相撲協会の処分は矛盾だらけ

 大相撲の日本人ホープ力士・大の里が昨年9月に未成年力士と飲酒をしていたことが発覚。相撲協会執行部からは師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)とともに「厳重注意」の処分を受けた。

 4月24日には大の里が「(春巡業)最後の4日間、出させてもらって感謝しかない。しっかり反省して頑張りたい」などと神妙な表情で謝罪。本人は執行部からの「再聴取」を覚悟していたが、それはなかった。未成年力士との飲酒は「強要」で、いじめもエスカレートしていたという「週刊新潮」(4月25日発売)の報道があったが、お咎めなしだったのだ。

 不祥事が起きた際の協会執行部の処分は整合性が欠くものばかり。宮城野部屋で起きた北青鵬(引退)による後輩力士への暴行問題では、親方である元横綱白鵬の現役時代からの執行部との“確執”が尾を引く形で、宮城野部屋を無期限閉鎖するという重い処分を課した。

 また、コロナ禍に協会のガイドラインを無視して外出を続けた大関時代の朝乃山の場合は、週刊誌報道と事情聴取した時の内容と全く違ったことや、スポーツ紙の記者とともに隠蔽工作をしていたことに執行部が激怒。再聴取して6場所出場停止にしている。大の里の場合も同じように再聴取になっても何ら不思議のない状況だ。

 大の里は今年、初場所の新入幕から2場所連続で11勝を挙げる快進撃を続け、夏場所では新三役に昇進することが確実視されている。しかしこのまま甘々な対処のまま終われば、八角体制へのストレスは募るばかりだろう。

(小田龍司)

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