プロフィギュアスケーターの羽生結弦が公式X(旧ツイッター)で離婚を発表したのは17日深夜のこと。同じくXで入籍発表してから、わずか105日目のことだった。
こうした有名人のスピード離婚はセンセーショナルに取り上げられがちだが、今回はテレビ各局やスポーツ各紙を見ると、行き過ぎた取材や誹謗中傷に悩まされていたという彼の主張を淡々と伝えている印象だった。こうした状況に違和感をおぼえる人も少なくなかったようで、ネット上には《忖度しまくりだな》《羽生結弦アンタッチャブル説》などのコメントが躍った。
確かに羽生が樹立した冬季五輪2連覇はとてつもない偉業である。とはいえ、五輪で連覇したり、複数の金メダルを獲得した日本人アスリートは他にもいる。例えば、女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里は羽生と同じく国民栄誉賞の受賞者だが、メディアでの扱いは明らかに異なる。
「羽生の場合、アスリートとしての才能と実力に、王子様のような甘いマスクを兼ね備えており、それ以上に大きかったのが日本国内での圧倒的なフィギュアスケート人気です。競技時代は出場する大会の中継が軒並み高視聴率をマークし、プロとなった今でも東京ドームの3万5000人のキャパを満員にできる集客力がある。熱狂的ファンの数なら大谷翔平をも上回るでしょう。その影響力を大手メディアは無視できません」(スポーツライター)
また、13年に設立された彼のマネジメント会社「チームシリウス」の存在も大きい。
「個人事務所で取締役にも名前を連ねています。取材窓口にもなっていますが、単発のテレビ出演や取材のオファーに応じることは稀。本人の意向が大きいと言われていますが、それを可能にするだけのスポンサー収入やチケット売り上げがあるのも事実。業界に顔の利くスタッフもいますし、メディア側もヘソを曲げられては今後の取材に支障が生じる。そうした判断から厳しい論調で報じないように各社が判断しているのです」(同)
だが、今回の離婚発表の際に寄せた文章の中で「許可のない取材や報道」と挙げたことに対して批判の声も出始めた。ジャーナリストの江川紹子氏はメディアプラットフォーム「note」で「取材や報道には『許可』が必要なのだろうか?」と疑問を投げかけている。
「これを機に風向きが変わってきており、25日放送の『今田耕司のネタバレMTG』(読売テレビ)では杉村太蔵が『愛する君を守るために離婚という理屈がわからない』『単純に嫌になっただけじゃない?』と直球過ぎるコメントをしていました。羽生本人はプライベートには一切触れてくれるなというスタンスなのでしょうが、一方的に結婚発表しておいてそれは無理があるような気がします」(同)
いずれにしても羽生結弦がスピード離婚に至ったという事実は変えようがない。