大相撲の宮城野親方(元横綱白鵬)が主催して今年で15回目を迎えた少年相撲の国際大会「白鵬杯」が2月11日、東京・両国国技館で開催。今回も国内外(海外は14の国と地域)から1000人以上の少年が参加した。宮城野親方は昨年3月に暴行問題の監督不行き届きなどで部屋の無期限閉鎖処分を受けており、「開催を断念しようと考えたこともあった」と話していた。
今回開催できる運びになったのは、宮城野親方を監督指導する伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)の存在が大きい。宮城野親方は大会前の挨拶で会場に訪れた伊勢ヶ浜親方に「本当にありがとうございました」と頭を下げた。
昨年4月、宮城野部屋の閉鎖により親方、力士、呼び出しなど全員が伊勢ヶ浜部屋に転籍した際には、
「宮城野部屋の力士たちはトレーニングルームなどで寝起きする状況もあって、伊勢ヶ浜親方ともかなりの“緊張関係”にありました」(相撲担当記者)
宮城野部屋の閉鎖解除については、監督指導している伊勢ヶ浜親方が相撲協会執行部に報告を上げて結論を出す形になっているが、伊勢ヶ浜親方は今年7月で定年に
「仮に伊勢ヶ浜の名跡(年寄株)を引退した照ノ富士が継ぐことになると、モンゴル勢の後輩である照ノ富士が宮城野親方を監督するという形になり釣り合いが取れない」(前出・相撲記者)
今回開催が危ぶまれた白鵬杯は伊勢ヶ浜親方のアシストにより例年通りに行われた。両者の蜜月がしっかりアピールできたということは、宮城野部屋の再興が近いうちにあるという証拠でもある。
(小田龍司)