日本のサッカー界はヌルい!? 内田篤人の“ストレート発言“が支持されるワケ

 元サッカー日本代表の内田篤人が9月20日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演し、日本のサッカーについて「そんなに強くない」と表現した。

 8月に現役引退して以降、初のバラエティ番組出演となった内田。“日本と世界のサッカーの格差はより広がった“という引退会見での波紋を呼んだコメントについて、番組でインタビュアーを務めた前園真聖から真意を問われると、「日本のサッカーはレベルが上がっているが、世界はもっと上がっている」「日本代表のサッカーを持ち上げ過ぎ。他の国に行ったら日本のサッカーはそんなに強くない」などと語った。

 また、内田がプレーしていたドイツでは月謝制の少年サッカーチームのような部活動が存在しないと説明。「(その代わりに)クラブチームで寄せ集めの良い選手が集まって競争率が高いが、日本だと月謝を払っているのでクビにされることがない。ヌルいって言ったらあれですけど、競争意識の部分では海外と差がある」と語り、海外では若い頃から厳しいポジション争いを強いられることになるという。

「日本代表のサッカーと世界の差に関するセンシティブな話題において、はっきりと自らの考えを述べた内田。基本的に、自国のサッカー界を“ヌルい“などと表現する、ネガティブな類いの発言はサポーターの間で物議を醸すことが多いですが、それでも内田が豪語できてしまうのは背景に絶対的な経験値があるからでしょう。2006年に鹿島アントラーズでプロデビューし、3シーズンで2度のベストイレブンに選出されると、ドイツ屈指の名門クラブであるシャルケに移籍。欧州の強豪クラブでも右サイドバックのポジションを奪取し、日本人として初となるチャンピオンズリーグ・ベスト4進出に貢献しています。近年のサッカー界では内田以上に世界で実績を残した日本人はおらず、なかなかそうした立場の内田に反論できる人間は居ないのではないでしょうか。その内田が感じた世界との差こそが、日本代表チームの正確な現在地といえるのかもしれません」(テレビ誌ライター)

 ネットでも内田の見解について、「偉そうに言うな、と叩いてる人もいますが、なかなかズバッと言ってくれる人は少ないと思います」「これが真っ当な意見なんでしょうね。海外のクラブで揉まれた人間に断言されると反論のしようがない」などといった反応が集まっている。

 他の選手があまり口にしない“世界との差“に関する内田の発言はややストレートな表現とはなったが、日本サッカー界への愛を感じる叱咤激励であることは間違いないだろう。

(木村慎吾)

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