「取る気は一切ない」本田圭佑、指導者ライセンス拒絶でもJFAは突き放さない思惑

 サッカー元日本代表・本田圭佑が12月26日、自身が考案した育成年代の小学生が参加できる4人制サッカー「4v4」のイベントに参加した。

 本田は38歳の今も現役を続行中。今年10月もブータンリーグのパロFCと1試合限定契約を結び、2ゴールを記録した。日本サッカー協会(JFA)とのパイプも、同郷(大阪)の宮本恒靖会長が就任にしてから一気に縮まっている。

 イベント後に囲み取材に応じると、選手契約のオファーは引く手あまたであることを明かし、「1月から来てくれ!というクラブもいくつかある。全部お断りした。僕のスケジュール感に合わせていただきたい」などと相変わらずの強気の発言をした本田。ではJFAとは?というところが気になるが、「代表監督のオファーしか受けません」とキッパリ。「サッカー選手としてW杯(制覇)を志してやってきた。それが叶わなかった中で、次は指導者としてW杯を目指したい。それがなでしこ(女子代表)の監督になることが将来の夢につながるのであれば、それはあると思うが、可能性があるかはわからない」と続けた。

 となると、森保ジャパンの後任の期待も出てくるが、「現実的には不可能」とは夕刊紙記者。

「JFAでは指導者のプロライセンス、または他国のライセンスを持っていない限り監督として指揮はとれない。本田はこの日も指導者ライセンスについて、『取る気は一切ない』と断言していましたからね。JFAも、さすがに本田だけに特例を認めるわけにはいかないでしょう」(同)

 それでも、本田にはJFAとのパイプを切りたくないという思惑もある。

「4人制サッカーをとにかくJFAに売り込みたい。そこでまずは宮本会長に直談判し、来季からJFAの公認事業にさせています。一方のJFAも本田を手放したくない事情がある。すでに発表されている来年度の事業計画では、16億円の赤字を見込んでいる。近々の課題は大口スポンサーの獲得で、“本田ブランド”にも頼りたいのが本音」(サッカー記者)

 森保ジャパンはアジアで無敵な状態が続いているが、現時点でインパクト不足は否めない。そんな中、本田とJFAの付かず離れずの関係は来年も続きそうだ。

(小田龍司)

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