昨年5月、約50年ぶりにアメリカ議会で開かれた、未確認飛行物体(UFO)に関する公聴会。今年4月には2度目となる同会が連邦議会上院で開催され、新たな映像も公開。一般人も傍聴に訪れるなど、全米で大きな注目を集めた。
そんな中、7月20日、共和党・バーチェット下院議員ら4人の超党派の議員が記者会見を行い、米国時間26日に下院の監視委員会で「UFO」に関する公聴会を開催すると発表。3回目となる今回は、これまでのような政府要人が参考人ではなく、実際に「UFO」を目撃したとする元軍人などを招致するとして、俄然注目が集まっている。米在住のジャーナリストが語る。
「これまで2回にわたって行われてきた公聴会では、国防総省の全領域異常解決局の責任者らが、未確認飛行物体の報告が650件もあり優先度を上げて分析を行っているとするものの、その大半は気球やドローン、自然現象など容易に説明できる特徴を示しているとし、地球外生命体による活動の信頼できる証拠を発見していないと、あくまで否定的立場をとってきました。そこで、バーチェット氏らは、自分たちの経験を率直に語れる参考人を招くべく、さまざまなアプローチを行ってきたようですが、議会や情報機関、国防総省からも目に見えない大きな反発を受け、妨害されたのだとか。それが、今回の怒り爆発の会見へと繋がった理由のようです」
彼らは会見で、「税金で政府が運営されている以上、何をしているのか知るのは、国民の知る権利だ」「命をかけている軍人の命に危害を加える可能性のあるものが空中に何があるのか調べる義務がある」と語気を強めて政府の対応を批判。3回目となる公聴会には、「ほぼ毎日UFOを見ていた」と告発した元アメリカ海軍パイロットのライアン・グレイブス氏ほか、UFOを目撃したと主張する元海軍司令官デビッド・ブレイバー氏、そして、すでに米国政府は人間以外の起源を持つ乗り物の存在を確認していると語る、元米国諜報機関職員デビッド・グルーシュ氏を招致し、話を聞く予定としていた。
「実は、この会見については、バイデン政権を支える民主党議員からも批判の声が上がっていて、モスコウィッツ議員などは、『UFOは存在しないというのであれば、きちんとそう宣言すればいいだけの話。ところが、政府は回答拒否の一点張り。それが憶測に繋がる最大の理由だ』とした上で、『ついにアメリカ政府が何を知っているのか、それをいつ知ったのかという疑問に答える時が来た』と政府へのきちんとしたUFO情報開示を求めています。身内から、こういった意見が出た以上、バイデン氏としても、このまま放置しておくわけにはいかないはず。そういう意味では、長年にわたって曖昧な存在とされてきたUFOの情報開示が、この公聴会で一歩前進するかもしれません。政府や軍関係者だけでなく、全米がこの公聴会の行方に注目していますよ」(前出・ジャーナリスト)
ついに、アメリカ議会までをも巻き込んだUFO問題。さて、事の行方はいかに。
(灯倫太郎)