解体費用は100億円超!?「壊せない」「維持できない」札幌ドームの断末魔

 2023年に10億円を投じて2万人規模の会場として対応可能な「新モード」を導入した札幌ドーム。ところが、イベント利用の申し込みは期待はずれで、23年度は当初2億9400万円の赤字の見通しだったが、下方修正されることが確実視されている。

 日本ハムとの契約は3月で終了しており、今後も札幌ドームでプロ野球の試合が行われる予定はない。

 同ドームはコンサドーレ札幌がホームスタジアムとして使用しているが、現時点で予定されているのはリーグ戦19試合と天皇杯1試合のみ。しかも、同チームは今季、序盤から苦戦を強いられ、J1第8節終了時ではJ2降格圏の19位。仮にJ2に落ちた場合、チームの予算は大きく削減されることが予想され、年間5億円強と言われる札幌ドームの使用料を払うのは困難と見られている。その場合、以前使っていた厚別公園競技場など、別会場での主催試合が増える可能性が高い。

「現在は大規模コンサートもほとんどありません。コンサドーレがJ2に降格したら札幌ドームの収入はさらに減り、解体を求める声が強まるのは必至です」(スポーツ紙記者)

 もっとも、解体論は以前からあった。だが、これだけの規模の施設となると、仮に解体するにしても莫大な費用がかかる。ほぼ同じ規模の旧国立競技場の解体には102億円かかっており、しかも、人件費や重機にかかるコストは当時に比べて上昇している。

「解体のための莫大な税金投入は、市民から猛反発されるでしょう。となると、まだ老朽化と呼ぶほど築年数が経っているわけではないことから、年間数億円の赤字を抱えても維持する選択をするかもしれません。しかし、これも市民の賛同を得られるとは到底思えません」(前出・記者)

 進むも退くも困難極まる道が待っていそうな札幌ドーム。屋内競輪場や競馬場への転換も取り沙汰されているが果たして…。

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