5月7日(日本時間8日)、所属先のデトロイト・タイガースから解雇が発表された前田健太。昨シーズンは途中で先発から中継ぎに降格となり、防御率6.09の3勝7敗。今シーズンも中継ぎで開幕を迎え、勝敗はつかなかったものの防御率7.88。四死球でランナーを歩かせ打ち込まれる場面が続いていた。
ちなみにチームは、ア・リーグ中地区首位と好調を維持。特に投手陣はリーグトップの防御率と躍進の原動力となる中、地元メディアでも解雇は時間の問題とされていただけにこれ自体に驚きはない。ウェーバー公示にかけられたものの、獲得する球団もなかった。
そんな前田は日本球界を離れてから今年で10年目。MLBではメジャー登録43日以上で年金の受給資格が発生。172日で1年とカウントされ、10年で満額(年間27.5万ドル=約4000万円)を得られる仕組みだ。しかし、今季5月1日に40人のロースター枠から外れた前田は現在9年と35日のため、満額受給資格には137日足りない。
これまで日本人選手でMLB年金の満額支給の資格を得ているのは、イチロー、野茂英雄、松井秀喜、大家友和に、現役では唯一ダルビッシュ有(パドレス)の計5人。前田も5月中旬には6人目となるはずだった。ただ、その可能性はまだ残されている。
「ウェーバー期間を経てFAとなれば、メジャー最低保証年俸(76万ドル=約1億100万円)の日割り額で獲得できるからです。前田はメジャー通算68勝で実績十分のベテラン。格安で獲得可能なため、先発や中継ぎ陣に不安を抱えるチームからオファーが届くかもしれません」(スポーツ紙MLB担当記者)
だが、ネックとなるのは昨季からの成績が振るわないことに加え、37歳という年齢。本人はかねてより「最後は日本で」と口にしており、NPB復帰も取りざたされている。
このままMLBで移籍先が見つかり年金の満額受給資格を得るのか、それとも日本球界に戻ることを決断するのか。彼の動向から目が離せなさそうだ。