コロナ不況が叫ばれる中で、意外と見落としがちなのが、申請しないともらえない通称「コロナ給付金」だ。中でも政府が国民一人あたりに10万円を配布する「特別定額給付金」の申請が、全国各地で締め切りを迎えようとしているから注意したい。
「自治体によりますが早いところは7月下旬に受付を終了しています。総務省は8月21日の時点で98.5%の世帯に配布を完了したと発表していますが、都市部の単身世帯を中心に未申請者も多く、数千億単位の金額が宙に浮く可能性が出ている。8月末に受付を終了する自治体にはバタバタと駆け込みで申し込みが殺到したようです」(全国紙行政担当記者)
あまり知られていないが、コロナにまつわる給付金は国だけでなく自治体ごとにもさまざま存在している。そんな「独自給付金」について、経済評論家の佐藤治彦氏が指南する。
「新宿区がコロナ感染者に10万円を見舞金として配布したのは有名ですが、長崎県西海市でも同様の給付金が設立されています。品川区では『しながわ活力応援給付金』として区民一人に3万円を配布しています。みずから申請する手間はかかりますが、書面を郵送するだけで数万円を手にできるので、やらなきゃ損ですよ」
すっかり申請しているつもりが、机の引き出しの中に書類がそのまま置きっぱなしという事態も少なくないとか。この機に今一度、もらえる金について再確認しておくべきかもしれない。自治体の「独自給付金」は、新聞やテレビで四六時中宣伝されるものではない。住んでいる自治体のHPや広報紙を再チェックする必要がある。
自治体の広報活動が不十分な給付金とは裏腹に、バンバンCMを流しているわりに存在感が希薄なのが、9月1日から本格始動する「マイナポイント事業」だ。2万円までのチャージや支払いに対し最大5000円相当のポイントが還元されるというもの。コロナで懐の寒くなったサラリーマンにとって、思わぬお小遣いチャンスとなりそう。佐藤氏が解説する。
「マイナンバーカードにクレジットカード、電子マネー、QR決済のようなキャッシュレス決済を紐づけして、ポイントが還元されるキャンペーンです。現行のルールでは一度紐づけをすると変更がきかないため、決済会社ごとに独自のキャンペーンを打って顧客の囲い込みを狙っています」
実はこの「決済サービスの紐づけ」は使い方しだいでおトク感がまったく変わるだけに、気をつけたい。
「おススメしたいのは『d払い』です。9月末までの申し込みが必要ですが、マイナポイント分と合わせて最大7500円相当の還元(37.5%)を受けられるキャンペーンがあるのは他にありません。コンビニ、ドラッグストア、百貨店など決済サービスを使用できる店舗のバリエーションも広い。ドコモユーザーでなくても登録可能です。同じく最大7000円相当の高還元(35%)かつ汎用性に優れているイオン系列の『WAON』も魅力的です」(佐藤氏)
トクしかないため、今すぐ登録したいところだが、注意事項がチラホラ。
「未成年の場合、法定代理人である親名義の決済サービスに登録が可能です。ただし、自分が紐づけしたものと重複するのはNG。この場合も紐づけ後に変更ができないので、子供の将来を考慮した選択が必要になります」(佐藤氏)
子だくさん家庭には、ちょっした「お年玉」になる金額だろう。