マイナンバーカード普及目的の新制度「マイナポイント」がはらむリスク

 9月3日、政府は「デジタル・ガバメント閣僚会議」を開き、マイナンバーカード普及のため、所持者を対象に買い物などで利用できる「マイナポイント」と呼ばれるポイント還元制度を導入する方針であることを明らかにした。
 
「マイナポイントは2020年7月以降にスタートを予定している以外の具体的な上限や金額はまだ決まっていませんが、マイナンバーカード所持者がQR決済でチャージした際に、2万円のチャージに対して25%還元にあたる5000円分のポイントを付与する案などが検討されているといいます」(社会部記者)

 この新制度に対してネット上では、《マイナンバーを電子で管理するのは怖い。現在どこまで紐付けられているのかもよくわからないし》《保証説明がないのはダメでしょ。マイナンバーと紐付けした電子マネーからマイナンバー情報が漏洩したらどうする》《普及させるなら義務化すればいいし、こんなに還元する余裕があるなら消費増税をしなきゃいい》など批判的な意見が噴出している。
 
「マイナンバーカードの普及率は現在13%台と非常に低い水準にあるため、政府は普及を急ぎたい考えがあるのでしょう。また、消費増税後の10月から始まるキャッシュレス決済に対するポイント還元制度が20年6月までとなっているため、7月以降の消費が冷え込まないための対策としても位置づけられています。ただ、マイナンバーカードにスマホや口座のデータを紐付けるのは非常に危険で、セブンペイのように不正利用される可能性やマイナンバーカードを奪い取ろうとする詐欺が発生することが懸念されます。現在、マイナンバーで被害に遭った場合の対策や補償などは明らかになっていないため、5000円程度の還元で果たしてカードを作るかは、微妙なところですね」(経済評論家)

 そもそもQR決済ができないガラケー利用者は置いてけぼりか。

(小林洋三)

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