マイナンバーカードで本人確認「デジタル認証アプリ」で悪質転売ヤーは駆逐できるのか

 デジタル庁が6月24日から、AndroidとiOS向けに「デジタル認証アプリ」の配信をスタートさせた。

「デジタル認証アプリは4桁の利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力し、マイナンバーカードをスマホにかざして読み込めば本人確認ができる仕組みとなっていて、民間事業者にもAPIが無償で提供されています。今のところ、横浜市の子育て応援アプリと三菱UFJ銀行の口座開設アプリでの利用が可能となっていますが、デジタル庁による審査を受けて承認されれば使用できるようになるので、様々な民間のアプリやウェブサイトでの本人認証に採用されるかもしれません」(ITライター)

 デジタル庁によると、このアプリはECサイトやネットバンキングログイン時の本人確認、ライブ会場等での酒類購入時の年齢確認、転売目的の買い占め防止などにも活用できるとしている。ネット上では特に転売対策での利用が注目されており、《本人確認が必須になるなら、チケットの転売とか完全にできなくなるな》《個数制限の商品を複数アカウントで買おうとしても、本人認証があれば弾かれるわけか》《これで転売ヤーは壊滅する》といった声も寄せられている。

「フリマアプリやオークションサイトでデジタル認証アプリが導入されれば当然、不正な転売はできなくなり、限定商品の買い占めなども起きなくなるでしょう。ただ問題としては、フリマアプリやオークションサイトが導入するかどうかという点があります。また、デジタル認証アプリはまだリリースされたばかりで、どれだけダウンロードされるかは分かりません。マイナンバーカードを保有する割合は7割強となっていますが、マイナポイント目当てで作ってそれっきりで、利用者証明用電子証明書を忘れてしまったという人も少なくないでしょう。デジタル認証を導入した途端に利用者が激減するようなことがあれば元も子もないため、採用を検討する側は慎重にならざるを得ないでしょう」(経済ジャーナリスト)

 転売ヤー対策の決定打になりそうなだけに、ぜひ導入してもらいたいものだが…。

(小林洋三)

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