今冬の冷え込みは厳しく、物価の急上昇とともに、電気代のさらなる負担が待っていると言われる。そんな中、政府は「節電ポイント最大2000円」を打ち出したが、こうした「ポイント政策」に批判が集中している。
「10月18日の衆院予算委員会では、出産補助金としての『10万円クーポン支給』に批判が集中しました。立憲民主の長妻昭氏や国民民主の斎藤アレックス氏は、家計に直接届く政策ではなく、間接支援では具体的な効果がわかりづらい、と指摘しましたね。確かに最近は何かにつけてポイントやクーポンが乱立しています」(全国紙記者)
免許証や保険証をマイナンバーカードに統一させることを打ち出したことにも批判の声が高まったばかりだ。マイナンバーカードの普及は現在、国民の約半数ほどで、政府はここでも「マイナポイント」の最大2万円付与を10月から年内まで期限を2カ月延長させるなどして、普及に躍起となっている。
「マイナンバーカードの普及が進まない最大の理由は、とにかく面倒だからです。最初の手続きはネットでも出来ますが、申請から交付まで1カ月半から2カ月近くかかる上に、受け渡しは役所に本人が出向く必要がある。マイナンバーカードが出来たあとにマイナポイントの申し込みを行うにも、マイナポイントのアプリとマイナポータルの2つのアプリをダウンロードするという複雑なシステム。そして実際の登録作業ではメールで確認コードが送られてくるので、アプリ、ネット、メールボックスの間を行き来して画面を切り替えなくてはいけない。とてもではないが、スマホに不慣れな高齢者などが独力で作業を終えられるとは思えません」(経済ジャーナリスト)
一方、現在政府が打ち出している0〜2歳児のいる家庭への10万円クーポン支給は、来年度以降も継続する方針を打ち出しており、やはりゴリ押し感は否めない。
「コロナの『第8波』の声が上がっている中、若い夫婦が出産を回避する『産み控え』を防止する必要がある、との声が与党の中から上がり、出産補助金の『10万円クーポン』ということになった。しかし、現金ではなくクーポンで済まそうとしていることに、ネット上では、《マックじゃないんだから》《問題はそこじゃない》といった声が上がっていますね」(前出・全国紙記者)
何とかの一つ覚えのようなポイントやクーポン以外にすべきことがあるはず、と考える国民は少なくないのである。
(猫間滋)