マイナンバーカード(以下、マイナカード)で1人につき2万円分のポイントがもらえるのは多くの方がご存知だろう。何しろ、このところテレビCMを見ない日はなかった。1人2万円、ビール100缶分。夫婦なら200缶分。決して少ない金額ではない。
今や申請した人は2023年1月9日時点で66.3%。3分の2を超えた。
個人情報漏洩の心配や、行政機関に番号付けされるのが嫌だという人もいるだろうし、手続きが面倒そうで勘弁してほしいという気持ちもわかる。
ただし、2万円もらえる期限が目前に迫っている。
1人最大2万円分のポイント付与の締め切りは2月末まで(延長の可能性あり)だが、申し込みにはマイナカードそのものが必要だ。ところが、マイナカード取得には申し込み後1カ月くらいかかる。ということで、遅くても1月末前までには手続きを始める必要がある。もうギリギリなのだ。
申請方法はいろんなやり方があるが、いちばん簡単な方法をお知らせする。手元に役所から送られてきた申請書類がなければ、市区町村の役所に電話をしてマイナカード交付申請書(個人番号カード交付申請書)を送ってもらう。それに必要事項を記入し、顔写真を貼って返信する。切手は不要。これで第一段階はおしまい。
1カ月ほどでマイナカード受け取りが可能になったとのハガキが送られてくる。そのハガキと本人確認書類(顔写真のある運転免許証かパスポートなら1つ、健康保険証などは2つ必要)を持って出向いてマイナカードをもらう。
そしていよいよ、1人2万円分のポイント申請手続きとなる。マイナポイントをもらうというのは、自分が使っているさまざまなポイントにしてもらうということ。例えばd払い、PayPayなど、若い人が店でスマホを出してピッ、ピッと音を立てて払っているQRコード決済だ。
俺はスマホじゃない。昔の携帯電話だからもらえないんだろ? と思っているのなら大きな誤解だ。
例えば、コンビニのセブン‐イレブンのナナコカードのnanaco、楽天の楽天Edyのようなポイントでももらえる。だからスマホどころか、携帯電話がなくてももらえるのだ。
つまり一部のプリペイドカードでも、ごく一部のクレジットカードでももらうことができる。スマホがなくても諦めないでほしい。
また、自分はスマホを持ってないが、妻は持っているということであれば、妻のスマホで自分と妻のポイントの合計4万円分をもらうこともできる。
肝心なこのポイント申請はスマホなどでもできるが、いろいろと打ち込む必要があり面倒だ。私がオススメするのは、スマホショップに出向いて手続きを代行してもらうことだ(無料)。その時にマイナカード、銀行預金通帳、健康保険証が必要。あとはスマホにもらうならスマホ、またはプリペイドカードなどを持って行くだけだ。
マイナポイントの申請をしてくれないか? と頼めば全部やってくれる。私もその方法でもらった。時間は20分もあれば終わってしまう。混んでいることが多いので事前に来店予約をしておこう。これだけで1人2万円だ。
マイナカードと電子マネーなどとの紐付けで5000円分、銀行預金と健康保険証の紐付けで各7500円分、合計2万円分のポイントがもらえる。紐付けとは、マイナカードに保険証や口座番号などの情報を登録させること。
究極の個人情報である金の出入りや健康に関することだけに抵抗がある人もいるかもしれないが、2024年以降は今までの紙の健康保険証は発行されずに、マイナカードがその代わりになるという。これで申請者がドッと増えたのではないか?
ただし口座の紐付けはメインの銀行ではなく、あまり使わないサブの銀行口座にした。国との金のやり取りと、個人の仕事の振り込みやクレジットカードでの支払いなど、細かい金の記録が残る通帳は別にした。
これが、私のせめてもの抵抗だった。
佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活動中。著書「おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方」(ぱる出版)ほか多数。