渋野日向子の逆襲「マン振りしぶこが帰ってきた」【2】“海外仕様”のフォーム

 昨年に続き帯同した佐藤賢和キャディーにしても、アプローチの好調ぶりを口にしていたという。JLPGA関係者によれば、

「佐藤キャディーが『(硬い)グリーンでも止まるようになった』と言っていたように、昨季から取り組んできた100ヤード以内のアプローチショットもすばらしかった。しっかりと振り切り、高く上げてピンそばに落とす。その結果が『難コース』での2度のベストスコア〝66〟につながった」

 5大メジャーの中でも「シェブロン選手権」は、72年の創設以来、同一会場で行われ、日本人の女子選手にとっては難コースと言われてきた。

「過去トップ5入りしたのは、87年の岡本綾子と01年の福嶋晃子だけ。コースの全長が長い上にフェアウェイも決して広くない。60台を3日間でマークした日本人は、渋野が初めてで『パー5』だけでトータル8アンダーを稼いだ。まさに海外仕様のフォームを手に入れたと言えますね」(ゴルフライター)

 スイング改造に手応えを感じてか、メンタル面でも変化が見られた。予選をトップ通過しながら3日目に21位まで急降下。しかし最終日に猛チャージをかけて4位に浮上したことだ。

「渋野が『宙に浮いている感じ。一番上にいる厳しさは何回味わっても慣れない』と振り返ったように、20年12月の『全米女子オープン』(68、67、74、74)では3日目、最終日ともに崩れて優勝を逃した。それが今回はしっかりと立ち直れた。その理由を『やけ食いした。牛タン何人前かはわからんけど、20枚以上。ご飯は大盛りでサラダも食べた』と笑顔で明かしています。仙台在住の佐藤キャディーは名店『司』の常連で、どうやらロサンゼルスの支店から差し入れがあったようです」(スポーツ紙記者)

 今大会は、米国ではポピュラーなキッチン付きのホテルにトレーナーとマネージャー、キャディーの4人で滞在しながら、上手に気分転換を図ったようだ。

「〝77〟も叩いてトップから21位まで落ちても、それだけ食べられたのであれば、彼女の魅力のポジティブさも戻っているようで、ひと安心した。普通なら悔しさや不安でノドを通らないでしょう」(宮崎氏)

 開幕前から米メディアの多くが「注目のルーキー」「ニュースター誕生」と報じていただけに、これを機にヒートアップすることは確実だが、渋野は国内ツアー参戦にも前向きで、

「これまでは米ツアーに専念すると話していましたが、『(国内の)出られる試合は出たい』と。それだけ今のゴルフに自信を持っている証しだと思います」(スポーツ紙記者)

 アドレナリン全開でマン振りするしぶこの逆襲は、まだ始まったばかり。メジャー2勝目を手にする日も、そう遠くはなさそうだ。

*「週刊アサヒ芸能」4月21日号より

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