プライベートでは順調が伝えられる渋野だが、肝心のゴルフに至っては、いまだ精彩を欠いたままだ。
「渋野には現在、特定のコーチがいません。開幕戦で『自分で考えてやっていきたいと思い、卒業しました』と、『全英女子オープン』を優勝に導いてくれた恩師の青木翔コーチとの師弟関係を解消。なぜ1人になることを選んだのか、理由は明かしていませんが、心配です。キャディーも交代しましたし、正直、暗中模索の状態が続いています」(スポーツ紙デスク)
青木コーチといえば、常に中期、長期で教え子の成長戦略を立てて見守る理論派として知られ、昨年も「チームしぶこ」を結成し、バックアップしていた。ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏も不安視する。
「青木コーチの下を離れたこともマイナスだし、1人で戦うことにも不安を覚えますね。『チーム・タイガー』の話や昨年9月に『全米オープン』を制したブライソン・デシャンボーの名前を挙げるまでもなく、コーチをはじめ、キャディー、フィジカルやメンタル担当のトレーナー、栄養士など、現在のメジャー制覇は総力戦。テニス界の大坂なおみが優勝後に多くのスタッフに感謝を伝えていたように、『チーム』のバックアップは欠かせないものです」
早期の「チームしぶこ」の再結成が待たれるところだが、それ以上にゴルフ関係者をハラハラさせているのが、フォームの改造だ。クラブのトップの位置が極端に浅くフラットになり、素人目にもすぐわかるほど。ここで急接近中なのが石川遼だというから、驚くほかない。
「渋野は遼クンからの助言で、打球がまっすぐに飛ぶようにクラブを寝かせる『シャローイング』に取り組んでいます。安定感と再現性を高めるのが狙いですが、多くのプロコーチから、米国の丈の長めの芝ではヘッドが触れて影響を受けやすいと指摘されている。ところが本人は『全く不安はないですし、周りにどう言われようが、私には関係ない。いろんな意見があると思うけど、私は決めたことを最後までやり切る』と、あくまで頑ななのです」(JLPGA関係者)
国内4戦では好結果に結びつかず、未完成のままでの米国遠征となるが、これには宮崎氏も首を傾げるばかり。
「私は改悪だと思います。石川と渋野は昨年7月、チャリティーマッチで競演し意気投合していたが、その時の対談が気になる。『ゴルフは仕事か、趣味か』で、渋野は仕事、石川は趣味と答えた。となると、石川は趣味の域で渋野に助言していることになる。自分のゴルフ理論を渋野で試されてはたまらない話ですよ。タイガー・ウッズのブッチ・ハーモン元コーチのギャラは当時、100万ドルとも言われましたが、プロコーチとはそういうもの。日本の宝である渋野が潰れるようなことにならないといいのですが」
3人の男の去就に翻弄される、しぶこの前途が危ぶまれる‥‥。
*「週刊アサヒ芸能」4月15日号より