6月5日に迫った「Nintendo Switch 2」の発売を巡っては、今でも様々な情報が飛び交っているが、そんな中、Xで大荒れとなった「事件」があった。
とあるXユーザーが、BCP-ALL(小児白血病)で余命宣告を受けた息子のためにSwitch 2を優先的に購入させて欲しい、と任天堂に直談判したという投稿を行い、物議を醸したのである。
投稿者は《息子はSwitch2にも憧れている。購入代金は支払うので、特別枠で優先的に購入させてほしい。企業のイメージアップにもつながります》と訴えていた。
この問い合わせに対し任天堂は、「大変お辛い状況のなか、ご連絡をいただき、誠にありがとうございます。ただし、特別枠での購入はできかねます」と、例外対応はできないとする正式な返信を行っている。
また、他のXユーザーからも、《1度でも特別販売を認めると、同じ手口が多発する》といった指摘や、《公平性を損なわないためにも、抽選販売のルールは厳守すべき》という声が上がった。
ただ、エンターテインメント業界では、末期患者向けに特別対応が行われた例もある。2019年11月、末期がんのスター・ウォーズファンに対し、ディズニーのボブ・アイガーCEO自らが介入し、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を公開前に鑑賞できるプライベート上映会を英国のホスピスで実現。病院スタッフのSNS要請からわずか数日で実現したこの対応は、多くのメディアで温かく報じられた。
さらに、同年初頭には、Marvel Studiosも重篤な疾患を抱えるファンの早期上映要請を受け、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の公開前試写を一部ファンに提供した例がある。これもSNSの拡散を受けた迅速な対応として話題になった。
「とはいえ、これらの事例はいずれも『映画のプライベート上映』という限定的なイベントであり、大量の商品販売とは性質が異なります。任天堂が特別対応を行わなかったことは、業界の一般ルールに則ったものと言えるでしょう」(ネットライター)
当然ながら投稿者への同情の声もあるわけだが、今回の騒動を通じ、企業にとっては公平性と社会的配慮をどう両立させるか、課題になりそうだ。
(ケン高田)