現日本女子プロゴルフ協会顧問・樋口久子以来、42年ぶりに日本人海外メジャー勝利を手にした渋野日向子。偉業達成の理由を聞かれた女子ゴルフ界のご意見番・岡本綾子からは痛烈なひと言が返ってきた。“レジェンド”としての威厳に満ちた評価の根拠は何か。
スポーツ紙デスクが振り返る。
「昨年8月、全英女子の最終ホールでしぶこの大逆転“壁ドン”パットが決まった瞬間、岡本さんもCS番組内で『ナイスバーディー!』と歓喜、『夢みたい』と祝福していたのに、今年の開幕直前になって辛辣な言い回しをしたので驚かされましたよ」
スポーツ専門誌「Number」3月12日号で、岡本は「パイオニアの通信簿」と題し、「黄金世代」を中心に後輩たちをジャッジ。あらためて渋野の全英Vの理由を問われると、
「ビギナーズラックですよ。ハッキリ言います」
ゴルフライターも顔をしかめて、
「確かに海外メジャー初挑戦だったし、コースも日本人が得意とする林間コース。でも『運がよかった』でいいのに、初心者扱いするような評価に、渋野の周囲は苦笑いするしかありませんでした」
岡本発言は「激辛ながら愛情深い」と好意的に取られている一方、そのトゲを感じる言い回しが意外な憶測を呼ぶことに。
「世界ゴルフ殿堂入りもしている『世界のアヤコ』から見れば、の発言なんでしょうね。87年の米ツアーで米国人以外の初賞金女王に輝いた岡本は、悲願のメジャー制覇はかなわずとも、2位が6回。そのうえ、84年にはメジャー昇格前の全英女子で勝利していて、それも渋野と同じコースでの快挙でしたから」(前出・スポーツ紙デスク)
先の「Number」同号で、自分がメジャーで勝てなかった理由を「それはズバリ『運のなさ』に尽きます」と分析した岡本。その悔しさを思い出したのか、加えて別の推論も飛び出した。
「昨年、風呂場にバスタオルが置かれていなかったことで腹を立てた笠りつ子が、コースの関係者に『頭固い。死ね』と発言したとして物議を醸しました。この騒動にしても、岡本が新聞コラムで『協会の選手教育』について苦言を呈したことが発端だった。渋野は笠と同じ所属事務所ですし、また岡本のライバルである樋口久子と彼女が常に比較されるという点も、岡本の発言が鋭さを増す理由の一つかも」(前出・ゴルフライター)
笑わないプレースタイルが築いた海外18勝・国内44勝という「世界のアヤコ」の壁を越えて、初めてスマイルクイーンの真の実力が認められるのだろうか。