女子プロゴルファーの渋野日向子(23)が米女子ツアーメジャー第1戦「シェブロン選手権」(3月31日〜4月3日)で、久しぶりに〝しぶこスマイル〟を炸裂させた。メジャー2勝目こそ逃すも、4位タイでフィニッシュ。アドレナリン全開の〝マン振り〟しぶこが帰ってきた。
スポーツ紙ゴルフ担当記者が解説する。
「スイング改造に取り組んできた渋野にとって、今回の4位は3つの大きな収穫があったと言えます。1つは『来季の米ツアーのシード権をほぼ手中に収めた』こと。2つ目は『難コースでベストスコアの〝66〟を2度(2日目と最終日)も出せた』こと。そして3つ目が、3日目に〝77〟と『大崩れしながら気持ちを切り替えられた』ことですね」
19年8月に5大メジャーの一つ「全英女子オープン」を制覇した渋野は、同年オフから世界を見据えてスイング改造に着手。しかし、その後、長いトンネルに迷い込んでしまう。
「涙の優勝を飾った昨年10月の国内ツアー『スタンレーレディス』が実に686日ぶりの復活Vでしたからね。12月には米女子ツアーの予選会に挑戦して、なんとか20位に入りましたが、現在の優先出場順位は153位。レベルの高い米女子ツアーをルーキーとして戦う以上、まずは来季のシード権獲りが目標でしたが、今回の4位でそれもほぼクリアできました」(スポーツ紙記者)
渋野のCMEポイントは前週の1ポイントから一気に178.625ポイントとなり、来季の出場権などを決めるCMEグローブ・ポイントランキング(80位内にシード権)も133位から一挙に39位へとジャンプアップした。
「5月中旬に予定されているリシャッフルで、現在の優先出場順位も確実に上昇します。昨季の実績でみると100位(ほぼ全試合出場)が223ポイントで、シード入りの80位でも381ポイント。残り20試合ほどでトップテンに3回入れば、目標のシード入りが達成できます」(スポーツ紙記者)
メジャー初戦を好成績で終えたことにより、来季の拠点探しも始めたようで、
「松山英樹が住むサンフランシスコ湾に近いオークランドあたりが最有力候補地。早ければ夏にも自宅を購入するかもしれません」(スポーツ紙記者)
とはいえ気になるのが、20年12月の「全米女子オープン」で4位の成績を収めながら、翌年も低迷が続いたことだ。ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏がこう太鼓判を押す。
「あの頃はまだ、おっかなびっくり振っている印象だったが、今のスイングは迷いがない。ドライバーもアイアンもしっかりと振り切っている。それは飛距離にもパーオン率にも現れ、フォームチェンジは9割方できあがり、『新生・渋野』の誕生と言えます」
渋野も初日が終わったあと「振れるということは、スイングもよくなってきていると思う」と振り返り、2日目は初日以上の飛距離をマーク。「アドってたのかな」と、アドレナリン全開でのフルショットに満面の笑みを浮かべていた。
*渋野日向子の逆襲「マン振りしぶこが帰ってきた」【2】につづく