昨年の「しぶこフィーバー」から続く女子ゴルフ人気は、コロナ禍でツアーが激減しても健在だ。むしろ今年は、ニューヒロインの台頭によってさらに熱が高まっている。だがその裏では‥‥。緊急招集したゴルフ関係者が2020年の舞台裏を語り尽くす。
A(スポーツ紙記者) 昨今の女子ゴルフ界を牽引してきた渋野日向子(22)は米ツアーでの最高が24位タイ、国内賞金ランキングが35位と、パッとしないシーズンでした。
B(ゴルフ誌記者) 結果が出ないことを気にしてか、ラウンドの合間にお菓子を食べるモグモグタイムも激減。理詰めで考える「大人のゴルフ」を目指したことで、持ち味の思い切りのよさを失いましたね。ブツブツつぶやきながらラウンドする姿も多かった。
C(民放局スタッフ) 渋野にスポットライトを当てたいけど、成績が悪いと取り上げづらい。でも、なんとか撮れ高を稼がないと特集が組めない。11月末の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」で、日本テレビのカメラマンによる「お菓子手渡し事件」が起きましたが、気持ちはわからなくもないですね。
D(ツアー関係者) ただ、その大会は初日からイーグルを奪うなど絶好調。結果も今季最高の3位で終了したわけだから、映像的には十分だろう。プレー中の選手にお菓子を手渡すなんて、前代未聞だよ。
B 好成績をもたらしたのは、初コンビを組んだキャディーの佐藤賢和氏のおかげ、との声がもっぱらです。佐藤氏は長く石川遼を支えてきた海外経験も豊富な大ベテラン。それまでベッタリだった女性の仲よしキャディーを「解雇」したことで、今後はもっと活躍が期待できます。
C 米ツアーでも佐藤氏がキャディーなら、結果は違ったかもしれませんね。
D それは言えるだろう。特に海外では、攻め時の判断を間違えたら、まず好成績にはつながらない。それだけキャディーの存在は重要だということ。
A その渋野と昨年はデッドヒートを繰り広げ、みごと賞金女王の座に就いた鈴木愛(26)の影も薄かった。12月10日から開催される「全米女子オープン」も、コロナとコンディション不良を理由に不参加です。
D あれだけ雪辱に燃えていた全英オープンも、海外のコロナ感染状況を見て断念。まさに「コロナーバス」になっているのか、今オフはクラブを握るどころか、トレーニングすらやらないと、なげやりになっている。
C メンタル的に「このまま引退しちゃうんじゃないの」と、不安視する声もあるほどですね。
B 今季のハイライトは6月の開幕戦「アース・モンダミンカップ」で優勝争いをしたことぐらい。鈴木とのプレーオフを制した渡邉彩香(27)の1702日ぶりの勝利が注目されたツアーです。鈴木はその後もソコソコの成績は残しましたが、昨年のような気迫あふれるプレーは最後まで見られませんでした。
D ちなみに渡邉は、平均252ヤードを飛ばす長距離砲でありながら、大きくスライスする癖を制御できずにスランプに陥っていた。なので、昨年からプロ野球選手も師事するメンタルコーチのもとに通って、スランプを克服できたんだ。
A そのメンタルコーチ、鈴木にも紹介してあげてほしいですね。