老化を防ぐカギは「酸化」と「糖化」!健康維持に役立つ食事&運動法とは?

 リンゴを切ったまま置いておくと茶色くなるが、これはリンゴが酸化したから。同様に肌や体内も酸化すれば老化が進むし、様々な病気の発症リスクも高まる。そんな酸化の原因とされるのが、紫外線や激しい運動、偏食などによる「体をさびさせる」活性酸素の過剰発生だ。

 だが、この活性酸素も少量であれば、実はがん細胞などを攻撃してくれる、体にとってメリットがある物質だ。ところが、それが過剰になると皮膚のくすみやシワなどの老化現象をはじめ、動脈硬化などを誘発してしまうため、そうならないためには、やはり日々の食事でバランスをとることが重要になる。

 抗酸化力を高める食材としては、ビタミンCやビタミンEを多く含むブロッコリーやキウイ、アーモンド、硫化アリルを含む匂いの強いニラやニンニク、たまねぎのほか、アントシアニンを含むなすや、紫キャベツなどの紫色野菜、さらに赤ワインなどに含まれるポリフェノールを取り入れた食事がおすすめだ。

 一方、近年「酸化」とともにアンチエイジング医療で注目されているのが、「体がこげる」と称される「糖化」だ。我々の細胞はタンパク質と脂肪から作られているが、生命維持のために必要不可欠なエネルギー源が糖。食事に含まれている糖は胃腸で消化・吸収され、消化酵素の力でブドウ糖に変化し、血液中にブドウ糖が流れると、それが膵臓から分泌されるインスリンにより体内の細胞へと送り込まれる。そして燃料として燃やされたブドウ糖が脳のエネルギー源となり、筋肉や内臓などを動かし生命活動を維持していくのだ。

 ところが、体内に取り込まれた糖のうち、エネルギー源として代謝されずに残ってしまったものがタンパク質に結合すると、糖化が進む。するとAGEs(蛋白糖化反応最終生成物)という悪玉物質が生まれる。これが真皮のコラーゲンに蓄積すれば、たるみやくすみやシワの原因になり、血管に溜まれば動脈硬化を引き起こす。さらに、それが骨であれば骨粗しょう症など生体内で様々なトラブルを引き起こすことになるのだ。

 なので、過剰なAGE摂取はできるだけ控えるべき。AGEが多く含まれる食品というは、キツネ色に焼かれたもの、香ばしいものなど、糖とタンパク質が一緒に加熱されたもの。たとえば、小麦粉などは7割が炭水化物(デンプン)で、1割がタンパク質。そのほか微量の脂質やビタミン、ミネラルが含まれているが、これに牛乳や卵を使用し加熱すれば、糖化のリスクが高くなることは言うまでもないだろう。加えてフルクトース(果糖)が多く含まれている甘いジュースも要注意。フルクトースはブドウ糖よりも消化吸収が早く、糖化の原因になりやすいことを覚えておこう。

 ただ、医師から糖尿病と診断されたのならいざ知らず、そうでない場合は、なかなか日々生活で糖分を制限するのは難しい。そこで、注意したいのが、食事の際の食べる順番。基本、主食のパンやごはんなど、炭水化物を摂る前に、食物繊維が豊富な野菜やキノコ類、たんぱく質を含む肉・魚類を食べるだけで、糖化防止には効果的。加えて、AGEを下げる効果がある緑茶カテキンを食事と併せて摂るとより、より予防効果が増すので是非取り入れてもらいたい。

 そして、さらにおすすめなのが、食後30分から1時間程度の時間を見計らってのウォーキングだ。通常、人間の体で血糖値が一番上昇するのは食後1時間が経過した頃。なので最大に上がる前、つまり30分から1時間以内にウォーキングすることは、糖化リスクはかなり軽減させることができるはずだ。

 ただし間違ってはいけないのが、ウォーキング後の水分補給。つい「体を動かしたのだから大丈夫!」と糖分を多く含むスポーツドリンクなどの飲み物を摂ると、急激に血糖値が上がるためインスリンが分泌され、エネルギーが脂肪に変わるため逆効果。運動後の水分補給は水かお茶など、糖分をあまり多く含まないものを選ぶこと。

 若さと健康維持のため、今日から取り入れてみてはいかがだろうか。

(健康ライター・浅野祐一)

ライフ