8兆円か2.4兆円か…玉木代表の爆弾発言で注目される「103万円の壁」引き上げ後の「税収減額」

 収入に所得税が生じるライン、いわゆる「年収103万円の壁」の引き上げ問題。数値の落とし所を巡って与野党で駆け引きが続く中、提唱側の国民民主党の玉木雄一郎代表の発言が物議を醸している。

「玉木氏は昨年末に自身のXで、103万円の壁を国民民主の主張する178万円まで引き上げた場合の、政府・与党が言う『税収減の見込み額8兆円』という数値に疑義を投げかけました。予算案を閣議決定した際に提出した政府資料に基づいて試算すれば、ラインを123万円に引き上げた場合の減収額は6580億円だった。つまり178万円に引き上げても減収額は約2.4兆円だというのです」(シンクタンク研究員)

 試算の仕方が正しいかどうかの検証はこれからだが、

「地方自治体からはラインの大幅引き上げの影響で『自治体が壊れる』などと悲鳴が聞こえていました。例えば群馬県は、103万円の壁を178万円で見直した場合、県と市町村で計830億円の減収が見込まれると試算しています。山本一太知事は、『財源措置がなければ今までの住民サービスは維持できない』と訴え、導入の場合は代替財源を確保するよう政府に求めていました」(前出・研究員)

 しかし、こうした悲鳴も、仮に玉木氏の言う2.4兆円程度の減収で収まるのであれば、積み残し予算や他の方策で何とかできるのでは、という空気が高まる可能性もある。SNS上でも、《財務省が影響額をごまかしていたらさらに問題です》《税収落とさないためなら平気でウソをつく政府与党》などという声もあがった。

 1月24日からは通常国会が始まり、与野党攻防も本格化する。8兆円か2.4兆円か…。「税収減額の真偽」も明らかにされたい。

(田村建光)

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