山尾志桜里騒動で玉木代表に“女難説”が再燃「始まりは小池百合子だった」

「玉木代表はどう見ても女難の相があるとしか思えない。過去の出来事を見ても、今回の山尾志桜里氏の擁立をめぐるドタバタ劇もしかりだ」

 こう嘆くのは、元国民民主党関係者だ。

 山尾氏は、7月の参院選に向けて国民民主党・玉木雄一郎代表が白羽の矢を立て、比例代表で擁立するとして、出馬会見したばかりだった。だが、あまりの批判の多さに、その翌日には国民民主党が慌てて公認を取り消すという騒動に発展した。

 山尾氏は元検察官という経歴で、2009年の衆院選で旧民主党から初当選。2016年には、民主党の流れを汲む民進党政調会長に就任し、待機児童問題を国会で鋭く追及するなどして存在感を高めた。だがその一方で、次々に不祥事が発覚する。ガソリン不正計上疑惑、議員パスの不適切利用、既婚男性との不倫疑惑、さらにその男性の元妻が自死したと報じられ火だるまとなった。政治部記者が語る。

「山尾氏は不倫疑惑などに十分な説明もないまま、4年前に突如不出馬を宣言して政界を去った。それが今回、玉木氏の肝入りで出馬することになったというが、有権者から不信の声が噴き出した。その不満が、昨年の衆院選で7議席から4倍の28議席へと倍々ゲームのように伸びていた国民民主党を直撃、支持率は5月末から6月にかけてダダ下がりしました」

 そこで、支持率急落に焦った玉木氏の強い意向もあり、山尾氏は10日、緊急会見を開くことになる。だが、その会見の中身はスカスカ。件の不倫疑惑についても「男女の関係はなかった。それ以上のことはご容赦いただけたら」「ごめんなさい」と繰り返すばかりで、記者からは強い不満が漏れた。

 またSNS上でも「形だけの会見」「これでは説明責任果たしてない」などと批判が殺到し、会見前より玉木代表や山尾氏への反感は強まる一方となった。そしてついに国民民主党は公認内定を取り消す決定に至った。

 この一連の騒動を受け、冒頭の元国民民主党関係者が「玉木女難説」を説明する。

 2016年の東京都知事選で、小池百合子氏が291万票という圧倒的得票で“小池ブーム”を巻き起こした。その勢いで翌年の都議選でも、小池新党が大躍進し自民党は大敗北。そんな中、当時の安倍晋三政権は解散総選挙に打って出た。

 破竹の勢いだった小池氏は、旧民主党の流れを汲む民進党との合流を模索し、当時の幹部だった前原誠司氏、玉木氏らと組み国政政党「希望の党」を立ち上げる。世論もマスコミも小池新党が政権獲りの可能性大と見ていたが、小池氏の一言で流れは一変する。民進党内のリベラル勢力を「排除します」と記者会見で語ったことで、「希望の党」は一気に失速してしまったのだ。

「あの小池発言がなければ、自民党政権が倒れ、希望の党政権が誕生、ひいては玉木政権が誕生する可能性もあった。これが“玉木女難”の第一幕だ」(前出・元党関係者)

 第二幕は昨年報じられた「高松市観光大使」を務める女性タレントとの不倫報道だ。衆院選以来、勢いに乗っていた党にとって、代表の不倫報道は大ダメージとなった。

「その傷がようやく癒えはじめ、再びエンジンがかかり始めた矢先に、今度は“山尾ショック”と公認取り消し騒動だ。またまた“女難”に見舞われた」(同)

 SNSでは党に対して「会見までさせたのにあまりに冷酷」などと反発も招いている。玉木代表は“山尾切り”で自らの「女難の相」を断ち切り、再び国民民主党を上昇気流に乗せることができるかーー。

(田村建光)

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