反則金3倍の「ながら運転」厳罰化に効果はあるのか?

 スマートフォンの普及などに伴い、「ながら運転」が厳罰化されることが9月13日に閣議決定し、12月1日から施行される。
 
「道路交通法の改正施行令では、運転中の携帯電話の通話や画面を注視する“保持”について、違反の点数を1点から3点に引き上げる。反則金も大型車が7000円から2万5000円に、普通車と二輪車がいずれも6000円からそれぞれ1万8000円と1万5000円に大幅に増える。原付車も5000円が1万2000円に変更されます」(社会部記者)  

 通話や注視により“交通の危険”を生じさせた場合は、違反の点数が2点から6点になる。こちらは刑事手続きの対象となり、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられるのだ。
 
 運転中の携帯電話使用を罰則化したのは20年前。その後、啓発も続けられてきたが、一向に事態は改善していない。2016年、愛知県でスマホ向けゲームをしながら運転していた男のトラックが小学生をはねて死亡させた事件も記憶に新しい。

「警察庁の集計によると、携帯端末やカーナビなどの使用による事故は昨年、全国で2790件あったといいます。運転中にスマホを操作しないのは基本中の基本。しかし、ドライバーの意識向上ははかどらず、それでいて狂暴なドライバーまで急増している。政府は“あおり運転”も罰則強化を検討中ですが、双方に抑止力にならなくては意味がない。ドライバーのマナーに期待できない上に取り締まる側の目も限られている以上、厳罰化も絵に描いた餅になるのではという声もありますね」(前出・社会部記者)

 嘆かわしい世の中になったものだ。

(蓮見茂)

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