巨人の打線がとにかく振るわない。4月25日の中日戦(東京デーム)では坂本勇人の逆転3ランにより3-2で辛勝したが、5回まではノーヒットに抑えられていた。この日までは9試合連続2点以下。本塁打も8連続ナシと、得点力不足が大きな課題になっている。首位・阪神を上回る防御率1.83の数字を残しながら、得点はリーグワーストの中日とわずか1点差の57では、勝てる試合も勝てないだろう。
そんな中、原辰徳前監督の「打てる捕手を育てる」という方針が改めて見直されている。原前監督は2022年のキャンプ時に大城卓三、岸田行倫、喜多隆介、小林誠司ら捕手陣を前に、「もし守れればいいと思っていたらちょっと違うね。俺は打てる捕手が好きだから」と、打力を重要な要素に挙げていた。
一方、今季から指揮を執る阿部慎之助監督は、守備力には定評があるものの貧打の小林を登用。昨季打撃項目でキャリアハイを更新した大城はもっぱら代打要因になっている。
スポーツライターが語る。
「メジャーでは『捕手は打力重視』がすでにデータ分析上明らかになっており、そういう意味では20年以上前から捕手の打力を重視していた原前監督の考え方は理にかなっている。実際、阿部監督自身が現役時代、打力を買われていたのですから、現在の采配は自分自身を否定することにもなります。このまま大城を干すようではファンも納得いかないでしょうね」
24日には大城をはじめ若手から中堅選手が集められ、犠打の世界記録保持者である川相昌弘内野守備コーチからバントの指導を受けた。大城は犠打を連続失敗した揚げ句にスタメンを剥奪されているが、むしろ自由に打たせた方が得点力がアップしそうな気もする…。
(ケン高田)