巨人・甲斐拓也「交流戦スタメンで全敗」小林誠司に慰められる大誤算

 6月24日に終了したセ・パ交流戦でわずか6勝にとどまり、全12球団中11位に終わった阿部巨人。これは2017年、高橋由伸監督時代の記録に並ぶ球団ワースト成績である。

 この大ブレーキの一因とされているのが、今季ソフトバンクからFA移籍した捕手・甲斐拓也だ。開幕直後は打撃好調でスタートしたが、交流戦では深刻な不振に陥り、「スランプ以前の問題」とまで指摘されている。

「OBの間ではリード面でも疑問の声が出始めている。甲斐が先発マスクをかぶった交流戦では7試合すべてで敗戦。しかも、その試合では打ち込まれるパターンがほとんどですからね」(巨人担当記者)

 交流戦最終戦となった24日のロッテ戦でも、好調だった西舘勇陽投手が先発したが4-6で逆転負け。西舘を交流戦3勝目に導くことができなかった。

「もちろん甲斐だけの責任ではありませんが、試合後、小林誠司が肩を落とす甲斐の肩を叩いて慰める姿が見られました。阿部巨人の苦境を象徴するようなシーンでした」(同)

 甲斐は今オフ、年俸3億円・5年契約(金額は推定)という大型契約でライバル球団ソフトバンクからFA移籍。「城島健司さんや阿部監督のように、チームを勝たせる捕手になりたい」と語り、決意をもって新天地に乗り込んできた。

 だが、オールスター前のこの低空飛行は、本人にとってもまったくの想定外だろう。

 思い起こされるのは、やはり2017年の高橋由伸巨人。DeNAから山口俊、日本ハムから陽岱鋼らを大型補強し「優勝至上主義」で臨んだが、交流戦で失速し最終的には11年ぶりのBクラス(4位)に沈んだ。

 今季の巨人もまた、補強の「目玉」の一つが結果を出せず、負の連鎖が続いている。甲斐が真価を問われるのは、まさにこれからだ。

(小田龍司)

スポーツ