ソフトバンクから巨人に移籍したリチャードが、いきなり“一発回答”を見せつけた。5月13日の広島戦では「7番・三塁」で即スタメン出場。第2打席で放った第1号ソロは、2022年7月13日のオリックス戦以来となる一発だった。
「ジャイアンツさんから、どうしてもリチャードがほしいという話が先にありました」(ソフトバンク・城島健司チーフベースボールオフィサー)という今回のトレード加入。ただ、5年連続で二軍本塁打王という記録を残しながら、ソフトバンクがなかなか一軍定着させなかった理由は、この日の一撃を見ても理解できる。
「ここ数年のプロ野球では、パ・リーグの投手のほうがレベルやパワーでは上。反対に、変化球やコントロールはセ・リーグの投手のほうが的確」と語るのは、あるプロ野球評論家。つまり、甘い球が来れば、パワーヒッターのリチャードにとっては“おいしい”状況なのだ。
しかし、リチャードにはメンタル面の脆さがある。7年間、自主トレをともにしてきたソフトバンクの山川穂高も「なかなかそれは変えられない。(自主トレに)もう来るな!と何度も言いました」と語り、今回の移籍にはエールを送りつつも苦言を忘れなかった。
「守備の面でも、ソフトバンク時代は腰高な構えからくる凡ミスが数え切れないほどあった」(ソフトバンク担当記者)
是が非でも獲得を望んだそんなリチャードのパフォーマンスが、今季の阿部巨人の命運を握ることになるのか。
(小田龍司)