巨人・阿部慎之助監督を悩ませる…「連続KO」田中将大「200勝」までの起用法

 巨人の田中将大が、またしてもKOされた。5月1日の広島戦(東京ドーム)で登板したが、3回69球、8安打3失点という苦しい内容。初回には5連続で長短打を浴び、試合の流れを相手に渡してしまった。

 今回は日米通算200勝への王手をかけ、中13日をあけての登板。満を持して臨んだ試合だったが、阿部慎之助監督は“大炎上”する前に早めの降板を決断。これで2戦連続のKOとなった。

「開幕前には“サンデー・マー君”と大いに期待を寄せていた阿部監督も、今のボールの力を見て“無理”と判断したのでしょう。しかも中13日も空けてこの結果ですからね」(チーム関係者)

 この試合は延長12回の末、巨人が執念のサヨナラ勝ちを収めたため、田中に敗戦投手の記録こそつかなかったが、ここまでの防御率は9.00。あまりにも重い数字が、田中の現状を物語っている。

 田中は再び2軍での調整を続けることになるが、阿部監督は「次(の先発予定)はちょっと、いつっていうのは言えない」と、今後の1軍登板は見えない状況だ。

「田中の再生には久保康生巡回コーチだけでなく、桑田真澄2軍監督も指導にかかわっていますが、ポイントは『アウトロー(外角低め)のコントロールを重視せよ』というもの。広島戦でもその通りの投球は目指していたものの、いかんせんボールに力がない。課題は山積みです」(巨人担当記者)

 この調子では、シーズンが進むにつれ、200勝目前の田中の起用法が阿部巨人にとって悩みの種となりかねない。

「田中は楽天時代、契約交渉で金銭面に関して強硬な姿勢を見せていた。その点は巨人のフロントも認識していましたが、今回は年俸1億6000万円プラス出来高払いの1年契約(金額は推定)という条件に田中が一切の異議を唱えなかったことから契約に至った。とはいえ、1軍に上げられない状況では、見切らざるを得ない。本人も望まないと思いますが、中継ぎで無理矢理投げて『祝200勝』はないでしょうからね(笑)」(プロ野球OB)

 まさに土俵際に立たされている。

(小田龍司)

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