【長野ローカルグルメ】「みんなのテンホウ」はなぜ愛され続ける?70年続く中華チェーンの魅力を解剖

 地元では誰もが知っている有名店でも、全国的には無名に等しいローカル系の飲食チェーン。長野県にも長きにわたって県民から支持されてきた中華系のご当地チェーンがある。その名のも「みんなのテンホウ」だ。

 創業は1955年で今年ちょうど70年。松本・長野の県内2大都市をはじめ、県内全域に33店舗を展開しており、県民にとってはソウルフードと言ってもいい存在だ。

「長野県内では、餃子の王将(4店舗)や幸楽苑(9店舗)、バーミヤン(8店舗)といった全国チェーンを上回る圧倒的なシェアを誇ります。中華系では『ラーメン大学』と並ぶ、長野を代表する2大ローカルチェーンとなっています」(飲食業界誌記者)

 みんなのテンホウは、街のラーメン専門店よりも麺類が充実。レギュラメニューに季節限定メニューなどを含めると約30種類。麺はちぢれ細麺と平打ち太麺、中太麺の3種類があり、スープによって使い分けているがお客の好みで変更することも可能。さらにチャーシューは、ラーメンと中華そばで仕込み方が異なる別のものをそれぞれ使用している。

 また、看板メニューになっているのが年間200万食分を提供するぎょうざ。カリッと焼き上げ、口に入れると肉汁が溢れてくるが、ほのかにスパイスの風味が広がるのが特徴だ。

「八角やシナモン、フェンネルなど複数の香辛料を使用しており、配合率は社内でも2人しか知らない門外不出のレシピとなっています。なお、通常の餃子以外にも老舗漬物店とコラボした長野らしい『野沢菜ぎょうざ』(税込370円)もあり、こちらもクセになる味わいです」(同)

 さらに南信州の名物料理となっている「ソースかつ丼」(930円)もあるが、それとは衣が違う「肉揚げ」を乗せたラーメンや単品メニューが存在。こちらも主力メニューのひとつとなっている。

「排骨麺のような見た目ですが、骨付きではないので食べやすくなっています。特に『肉揚げラーメン』(760円)は価格も控えめ。ボリュームもあって、これ1つで満腹になれます」(同)

 他にもおつまみ系メニューも揃っており、チョイ飲みしたい時にも便利。他県から長野に訪れて中華と考える人は少ないかもしれないが、食べに行って損はしないはずだ。

※写真は「みんなのテンホウ」の肉揚げラーメン

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