巨人・阿部慎之助監督がまた取材拒否、長嶋茂雄氏や原辰徳氏と比較されるメディア対応

 巨人の戸郷翔征投手が、6月22日のセ・パ交流戦・西武戦で先発登板するも5回6安打3失点で今季6敗目を喫し、試合後には2度目となる2軍降格が通達された。

 試合後、戸郷は「怖がりながら投げているようでは1軍では勝てない」と自らのメンタル面の不安を口にしたが、今季の不調の背景にはもっと根深い問題がありそうだ。

 阿部慎之助監督は春季キャンプ中から「開幕投手は戸郷で行く」と断言していた。2年連続の開幕投手、そして過去3年連続で12勝を挙げた実績からも期待は大きかった。

 しかし、今季の戸郷は明らかに別人。中盤以降、ストレートと決め球のフォーク頼みの配球に限界が見え、緊急の1対1会談では阿部監督から「球種が少なすぎる」と苦言を呈されたという。

 ところで、この西武戦では、阿部監督が番記者の囲み取材を拒否。これは今季3度目となるが、ある巨人担当記者は「勝っても負けても淡々としている。とにかく明るさが感じられない」と阿部監督のメディア対応の硬さにも苦言を呈する。とりわけ、巨人の“顔”として愛された長嶋茂雄氏や原辰徳前監督とのギャップが、ファンや報道陣にも色濃く映ってしまっているようだ。

 残り1試合(対ロッテ)を残した交流戦で、巨人はロードゲーム1勝1分6敗という体たらく。総合順位こそ11位だが、これは24日のロッテ戦で勝利したところで最下位ヤクルト(2勝7敗)とほぼ変わらない成績だ。

 ある球界OBは「今年の戦力であれば交流戦を5割で乗り切れば御の字だった」と語っていたが、その最低ラインにも達せなかったことで、阿部巨人のシーズン後半は危機的状況に突入している。

 エース戸郷の再浮上なくして、巨人の巻き返しは困難。今後の調整登板で、新球の習得やメンタル再建が急務となるが、何より取材対応のウケがよろしくない阿部監督のリーダーシップが問われる。

(小田龍司)

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