9月29日から昆虫・魚類などの生き物約5298種の出品の禁止に踏み切った大手オークションサイト「ヤフオク!」。犬猫など哺乳類や鳥類、ヘビやトカゲといった爬虫類は以前から禁止されていたが、今回対象に加わったのは環境省の「レッドリスト」に掲載されている絶滅危惧種と準絶滅危惧種。この中にはメダカやニホンザリガニ、オオクワガタ、ゲンゴロウなど誰もが知っている生き物も多く含まれている。
「メルカリや楽天ラクマはすでに生物の出品を全面禁止にしており、各社とも法規制よりさらに踏み込んで厳しい自主規制を行ったことになります。ただし、ヤクオクに関しては全面禁止ではなく、今回の規約改正後も条件付きで出品が認められています」(ネットジャーナリスト)
その条件とは、「人工繁殖させた個体」と「出品者の氏名・連絡先の公開」の大きく2つ。つまり、ブリーダーが今後も出品できる余地を残したのだ。
実際にヤフオクを確認すると、29日以降もメダカやニホンザリガニなどは多数出品されており、規制の影響は少ないようにも思える。だが、当事者であるブリーダーの間は楽観視するどころか警戒を強めているという。
「規制は今後厳しくなることはあっても緩くなることはありません。世界的にも生物のネット取引は禁止の流れですし、おそらく段階的措置でしょう。様子を見ながら判断する形になると思いますが、捕獲した個体を人工繁殖と偽って出品することも考えられます。そうした問題が表面化した場合、一気に全面禁止へと舵を切る可能性は高い。そうなればルールを守っていても廃業に追い込まれるブリーダーが多いはずです」(同)
そもそも出品数が多いのは需要がそれだけあるから。規制強化や全面禁止した結果、闇サイトでの取引が盛んになんて本末転倒なことにならなければいいが…。