「恫喝人事で官僚支配」菅義偉氏「再登板」の目/永田町の「黒い顔役」たち(4)

 支持率3割を切り、危険水域に突入したと言われる党内では、早くも水面下でポスト岸田の動きが激しさを増している。

「最大派閥の安倍派が分裂寸前で、第二グループの茂木派、麻生派、岸田派、さらには、菅グループの草刈り場になろうとしている。国葬をねじ込んだのが麻生副総裁なら、『やらなかったらバカ』と後押ししたのが二階俊博元幹事長(83)です。もっとも二階さんは勝ち馬に乗るタイプで、自らトップに立つ気はない。今は全国旅行業協会のドンとして10月11日より始まる『全国旅行割』の旗振りをしている」(デスク)

 キャスティングボートを握るのは、党内3番手の所帯ながら閣僚4人を送り込む麻生派だ。

「党内で大手を振って歩けるのは、ひとえに麻生会長の集金力の高さによるところが大きい。口の悪さを嫌う向きも多いが、歯に衣着せぬ麻生節は根強いファンに支えられ、全国に財界などの後援会を持っている。当然、パーティーなどの集金力が高く、派閥は潤っている。現在は岸田内閣を支えているが、これ以上支持率が下がれば、いずれ見放すことになるでしょう」(官邸記者)

 当選10回超、傘寿超えの長老が、跋扈する永田町。

 そんな中、ポスト岸田の最右翼と言われるのが菅前総理だが、

「菅さんの権力の源泉は恫喝政治です。古くは総務相時代、自ら旗振りをした『ふるさと納税』に反対した官僚をいきなり左遷した。この人事力で総務省内を牛耳った。『菅に刃向かえば、明日は我が身』という恐怖政治を霞が関官僚に強いたのです。官房長官時代は内閣人事局を掌握することで、官僚からあらゆる情報を吸い上げた。この隠し持った猛毒パワーを持つ菅さんが、安倍政治の継承を掲げ、にわかに勢力を伸ばしているのです」(官邸記者)

 旧統一教会との関係が色濃い細田議長、萩生田政調会長という2人の安倍派に加え、数年前に参加したイベントさえも覚えていないとスッとぼける山際大志郎経済再生担当相(54)を政権にぶら下げたままで、臨時国会がスタートした岸田総理の心中やいかに。鈴木エイト氏がまとめてケサ斬りする。

「今や瀬戸際大臣と言われる山際経済再生相ですが、大臣であるうちは守ってもらえるものと、必死にそのイスにしがみついているのでしょう。岸田さんとしては安倍派と旧統一教会の関係に切り込みたくない。国葬を無事済ませ、これ以上は追及されないと思っているのでしょうが、ここで取り逃がしてはなりません」

 もはや政権末期! 崩壊が始まった岸田内閣の断末魔が聞こえてくる。

*週刊アサヒ芸能10月13日号掲載

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