余った「ギガ」を個人間で売買できるとは、なんとも画期的なサービスが始まったものだ。
メルカリが3月4日、通信事業者から通信回線を借り受け、サービスを提供するMVNO事業への参入を表明した。自社で基地局や回線設備などをもたず、ドコモの回線を借りるため、安価にサービスを提供できるのがメリットだ。
「メルカリモバイル」が面白いのは、月々のデータ通信量が余ったときに1GBを最低200円から最高500円の範囲内でメルカリアプリで売買できること。これまで余ったギガを翌月に繰り越すことができる通信会社はあったが、売買できるというのはありそうでなかったサービスといえるだろう。
気になる料金プランは、2GB月額990円(税込、以下同)、20GB月額2390円の2種類。国内通話料は22円/30秒で、今後、通話定額プランが提供される予定。また登録手数料として3300円が契約開始時にかかる。
なるほど斬新なシステムだが、この絶妙な価格設定には「全然安くない」という声が相次いでいる。たしかに楽天の「最強プラン」は3GBまで1078円、20GBでも2178円とメルカリよりも安く、またRakuten Linkアプリを利用すれば通話料は無料になる。ahamoは30GBで2970円だが、楽天モバイルと同様、契約事務手数料は0円なので、ギガの余裕を合わせてトータルではメルカリよりもお得だろう。
そもそもギガの売買は販売手数料として10%が徴収されることに加え、希望価格でスムーズに売れるかはわからない。慣れた人には問題ないだろうが、個人売買に不慣れな人にとっては、手間を考えるとどれだけお得になるか…。
余ったギガの売買は面白い試みだが、はて、一体どれだけの人が乗り換えるか見ものである。
(ケン高田)