コロナ禍で開催延期を余儀なくされてた世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット99」(C99)が、 12月30日(木)・31日(金)の両日、東京ビッグサイトで、2年ぶりに開催されることになった。
ところが、フリマアプリなどにC99の「出展サークル専用通行証」(通行証)や「サークル駐車券」(駐車券)が多数出品され、コミケを運営する準備会は、「出品が確認された場合、サークル名を公表し以降のコミックマーケットへの参加を不可にする」という警告文を公式サイトに掲載するなど、対応に苦慮している。
昨年の開催中止を受け、文字通りファン待望となった今回の「C99」。ただ、コロナ禍での開催とあって、規模も大幅に縮小され、来場者も1日あたり約5万5000人程度と従来の3~4分の1を予定しているというが、
「今回に限らず、コミケでは以前から通行証などの転売行為が横行していて、そこで問題視されていたのが通称『チケ組』と呼ばれるチケット組の存在です。これは、サークルや準備会スタッフに配られる、開催準備のために時間前に入場出来るチケットを使い、準備作業終了後、自分の欲しいサークル前に並び、いち早く戦利品をゲットするというもの。当然、徹夜組や一般参加者よりも前に、貴重アイテムを手に入れることができるため、購入後即同人ショップやネットで転売すれば、大きな利益になるんです」(コミケ関係者)
今回、展示会場となるのは、東京ビッグサイトの東・西・南の各展示棟と会議棟1F、屋上展示場および庭園だが、1日あたり約10000サークルの参加とされ、密状態を避けるため、会場を「東地区(東展示棟)」「西南地区(会議棟・西展示棟・南展示棟)」に分け、当日9時以降は、両地区間を結ぶブリッジを閉鎖し、原則通行が出来なくなる。
「そのため、一般参加・コスプレに必要なチケットも地区単位で販売され、参加証と異なる地区へは入場できない。それにより、いっそう通行証や駐車券を求めるニーズが急増、そこに転売ヤーが目をつけたということでしょう」(前出関係者)
実際、メルカリで「コミケ 通行証」と検索(12月1日)してみると、複数のチケットが売り出されていることが確認できる。
コミケ準備会では、、ヤフーオークション、メルカリ、同人楽市での通行証、駐車券の出品者に対し、検索可能な限り、出品取り消しを要請する文面を送付。準備会の要請に応じない場合は、サークル名を公表し、以後のコミックマーケットに参加させない、という方針を打ち出しているが、前出の関係者が言うには、
「きちんとしたサークルはこういった違法行為には手を染めなしでしょうし、偽名等を使ったダミーサークルで応募、まぐれアタリした物を横流しするという手口もあるため、サークル名を公表することに、どれほどの意味があるかは疑問です。ただ、準備会には不正行為を発見次第、毅然とした態度で臨んでもらいたいですね」
毎回、手を変え品を変えて登場する転売ヤーに、主催者側も頭を悩ませている。
(灯倫太郎)