2年ぶり「阿波踊り」開催でもドロ沼の対立続く舞台裏とは?

 小刻みなステップと「ヤットサー」の掛け声などが特徴の夏の徳島の風物詩の阿波踊り。昨年は新型コロナの影響で中止となったが、今年は例年と違って12~14日は屋内、15日は屋外競技場で無観客開催の予定だ。

 だが、地元では阿波踊りの主導権を巡り、運営に支障をきたすほどのドロ沼の争いが近年起こっていることをご存じだろうか?

「以前は公益社団法人・徳島市観光協会と徳島新聞社が共同で主催していましたが、阿波踊りは毎年120人万以上が訪れる全国規模の祭りにもかかわらず、毎年赤字が膨らんでいる状態でした」

 そう明かすのは、同問題を取材していたジャーナリスト。赤字を垂れ流し続けた観光協会は18年に破産したが、徳島地裁に破産手続きの申し立てを行ったのは民間企業に例えるなら親会社に相当する徳島市だったという。

「自治体からの補助金もありましたし、祭り自体が大きな利権なっていたんです。これに徳島市が口を出し始めたことで対立を深めていったのです」(同)

 18年以降は運営体制が見直され、19年からはイベント企画会社大手のキョードー東京を代表企業とする3社の共同事業体に阿波踊りの企画運営を委託。ところが、19年は台風で祭りが2日間中止、20年は新型コロナで全日程が中止になるも市からの賠償はなく、今年3月には契約を解除されている。

「この市の対応に徳島新聞社は厳しい論調で報じています。阿波踊りの主催を外されたことへの反発もあると思いますが、共同事業体への市の対応も問題視されています。ただ、当事者がいくら反論しようと祭りとは関係ないところで騒動が続いている状態。阿波踊りを楽しみにしている一般の市民たちは冷ややかに見ていますよ」(同)

 こんな場外乱闘でせっかくのお祭りに水を差すのはやめてもらいたいものだ。

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