育休中の転売で2億円を荒稼ぎ! しかも、プロ野球選手の年俸と見紛うほどの巨額マネーを手中にしたのが国税職員とあって2度ビックリである。ウハウハ儲かる「転売」の最新トレンドを追う!
ニュースの主役は20代の仙台国税局の財務事務官。社会部デスクが説明する。
「男性職員は22年8月~24年2月の育休中に、ネットオークション、新車・中古車販売店から自動車62台と携帯電話4台の転売を行い、約2億円を売り上げた。もちろん国家公務員は兼業が禁止されているため、停職1カ月の処分を受けたが結局、みずから辞職した」
本人は「楽しくて止められなかった」と話しているというのだが、単純計算でも月3台強と飛ぶような売れ行き。いちばん高い車で1200万円もの値がついたというから、ホホが緩まなかったはずがなかろう。
車の流通に詳しい事情通はこう見る。
「この時期にこの値がつくのはおそらく、ランドクルーザー300系、アルファード40系、ヴェルファイア40系でしょう。800万円前後で仕入れ、1200万円で売り飛ばせば400万円前後の利益があったハズ。転売で高額な値がつく例として、ホンダのNSXの限定車で、定価2794万円のタイプSが、納車即転売で8000万円なんてこともありました」
瞬時にして5000万円の粗利となれば転売の世界恐ろしや。ならば自分でも始めてみようという人が湧いて出そうなもの。
「ただ車の転売は、同じ転売でも個人で行う転売とは“シマ”がちょっと異なります」
というのは、みずからも転売経験があるライターの山野祐介氏だ。
「転売と言えば、車やロレックスなど腕時計のブランド品を思い起こす人が多いと思いますが、この分野は自己資金や目利きのセンスが求められるため、もはや“事業”と言ってもいい。もっと一般的な個人が行う転売は、携帯電話、カメラ、カードゲーム、ゲーム機本体などが主流です」
ではその山野氏が「ライト系」という、メインストリームの転売にはどういったものがあるのか。
「例えば、富士フイルムが販売しているインスタックスミニというインスタントカメラです。いわゆるチェキですが、とりわけ若い人の間でこういったレトロなカメラが人気で、購入制限もあるので、品薄感から転売向きなのです。約1万2000円の本体が1万4000円ほどで売れる上、フィルムがよりおいしくて、1.5倍以上の値段で売れます。それから任天堂のゲーム機のスイッチ。からくりとしては、カメラや家電と違って、売り値はどこでも共通の3万2978円。これを楽天やヤフーのショッピングサイトで買うと、ポイントが付きます。それを定価で売れば、差し引き数千円のポイント分を儲けたことになります」
今やポイント社会、使用先こそ限られるが、通貨と等しくあらゆるところで使用可能だ。
「それから年1回のグーグルのセールを利用した手法。例えば、今年は7万円以上するグーグル携帯の最新機種が、商品券のキャッシュバックと通常より高額設定の下取りを駆使すれば、実質2万円で購入できました。そしてこれを6万円ほどでハケさせることができました」(山野氏)
実にオイシイ話なのだが‥‥。
(つづく)