予想はされていたが、プロ野球界は今後きちんとした対策を講じる必要があるだろう。
10月28日に京セラドーム大阪で開幕するプロ野球・日本シリーズの「オリックスバファローズVS阪神タイガース」の59年ぶり関西決戦がよもやの問題でヒートアップしている。
一般発売で即完売となったチケットが、抽選発表直後にチケット売買サイトに驚愕の価格で売りに出されていたからだ。抽選に外れて気落ちするファンの心を逆なでする状態になっている。
「1枚50万円というとんでもない値段で売られているものもありました。今年のシリーズは関西対決で全試合が〝ご近所〟で行われることから、全試合見たいという熱狂的ファンも多く争奪戦は予想どおりでしたが、その足元を見た転売価格には驚きました。50万円や30万円のチケットはさすがに売れず取り下げられたようですが、有名チケット売買サイトでは今でも正規価格のおよそ10倍で売りに出されています。いちばん多い京セラドームの第1戦、第2戦の3600円の外野席が4万円前後、枚数が少ない内野指定席だと10万円のものもあり、実際に取引もされていました」(スポーツライター)
胴上げがかかる試合になると、さらに高騰することが予想されるが、怒りに震えるのが本当に生観戦したい野球ファンだ。NPBが本気で転売ヤー対策をしていないとの苦情がネット上にあふれているのだ。
「阪神が出る日本シリーズがいかに人気殺到するかは前もってわかっていたこと。1人が取れる枚数は最大4枚ですが、それを2枚に減らすだけでも転売対策になりますし、オリンピックの時のように申し込み時に観戦者のフルネームを書かせるという方法もあったでしょう(観戦者の変更は最初の購入者がネット上で行った)。とにかく高額転売を防ぐ方法はいくつもあるのだから、それを踏まえてプロ野球界全体でリセール制度を見直すべきです」(前出・スポーツライター)
今回の転売騒動が、プロ野球ファンをないがしろにしているチケット販売システムを再考するきっかけとなってほしいものだ。
(飯野さつき)