かねてから問題になっていた、外交官ナンバー車による駐車違反や違反金踏み倒し行為に対し、政府がようやく重い腰を上げることになった。
外務省は先月27日、駐日外交団車両のガソリン税免税措置の証明書を発給する際、駐車違反金の納付を確認。駐車違反金が未納の場合、免税措置を講じないことを発表した。全国紙政治部記者が語る。
「外交官や外交使節団には不可侵権と治外法権が認められているため、日本の刑事裁判権や租税が免除されています。ところが、そんな特権を利用して、以前から青地のナンバープレートがついた駐日外交団車両(外交官ナンバー車)の駐車違反や、その違反金の踏み倒しが相次いでいました。通常、日本では違反金未納を続ければ、財産差し押さえなどの強制執行の対象になりますが、外交特権がある彼らには、その対象に当てはまらない。つまり、日本の法律では一切手が出せなかったわけですね。そこで、外務省では苦肉の策として、半年間で4回以上駐車違反した悪質車両について、違反金の全額納付が確認できない限り、給油の際免除されるガソリン税の証明書を発給しない、という対応を取ることになったんです」
警察庁の集計によると、在日大使館や領事館用の「青ナンバー」車両の駐車違反は、18年で3948件、19年が2615件、2020年は1137件と、数だけ見れば減少しているものの、
「警察庁の国会答弁によれば、違反金が未納のまま、時効の5年をすぎたケースは、18年度が3118件で4677万円、19年度も2736件で4104万円(同)に上ったといいますからね。とはいえ、件数もさることながら、この金額には驚くばかりです」(同記者)
そして、今年3月の参院予算委員会で明らかになったのが、ワースト1位がロシア、2位が中国という「違反国」だった。
「しかも、この2国は3位以下を大きく引き離していることもあって、同委員会で質問にたった自民党の三宅伸吾氏は、さぬきうどんで知られるの香川県出身なんですが、『店によっては100円でうどんを食べられる。1日3回、365日食べると年間11万円ほど。4千万円強あれば、40年近く毎日うどんを食べられる』と訴えると、議場から拍手が起こったといいますからね。本当に、空いた口が塞がりませんよ」(同記者)
一連の報道を受け、SNS上では、
《そもそも外交官ナンバーなんて止めるべき。なんで連中ばかりに特権満載なのか意味不明》《外交特権と国内法の執行は本来別枠だろ。現行犯は容赦無く取り締まって、違法駐車は即レッカー移動するべき!》といった批判的な意見に交じって、《でも、日本側がこういう措置を取っても、“反省”とか“改善”せずに、何らかの形で“報復”する方向で考えるんだろなぁ、こういう国はどうせ……》といった笑うに笑えないコメントも……。
世界でも、マナー違反が恥ずべき行為であることは言うまでもない。今回の措置で「旅の恥はかき捨て」という彼らに「郷に入っては郷に従え」という言葉が届くことを祈るしかない。
(灯倫太郎)