備蓄米放出でも「銘柄米は値上がりする」、アキダイ社長の説明に納得のワケ

 新たに農水大臣に就任した小泉進次郎氏が打ち出した備蓄米の大放出。22年産の古古米と21年産の古古古米を合計30万トン、小売業者に「随意契約」で売り渡すことを決め、6月初頭にはスーパーの店頭に並ぶと言われている。

 5キロ1800円から2000円程度の“小泉米”が出回ることで、現在4200円台で売られている24年産の銘柄米も値下がりしてほしいところだが…。東京都内でスーパーマーケット「アキダイ」を経営する秋葉弘道社長が、5月29日放送のTBS系「ひるおび」に出演。今回の“小泉米”について、「商売している立場からすると、政府から金額を指定されて、販売して、ただ、安いお米を売るのはお客さんにサービスになって良いんですけど、一方で今までのお米が売れなくなるというのは確実にあると思うんですよ。同じように今までのお米が売れるわけがない」と懸念を示していた。

 番組MCの恵俊彰から「当然、銘柄米とか今日も入ってきてるんでしょうけど、やっぱり4000円は超えてるんですか?」と質問すると、秋葉社長は「超えてます」と即答してこう続けた。

「恵さん、実はね、来月さらに上がるんですよ。情報として、銘柄米ね、100円から200円5キロあたりで上がるって情報きてます。これはやむを得ないです。お米屋さんも精米するにあたって、玄米をすでに仕入れているわけですよ。その仕入れ価格が上がっちゃったんで上げざるを得ない状況なんです」

 さらに秋葉社長は価格が上がる理由について、「高くても売れてるからこそ、下がらない。当たり前のことなんですよね」と説明し、「今月、来月と下がることはない」と見解を述べた。これにはSNS上で《わかりやすい》《高くても買う人がいるから下がらない》《米の価格は需給バランスで決まるのよ》などと納得の声が聞かれた。

「秋葉社長が中継で語っていましたが、昨年と比べて価格が倍になり、『高い高い』と言われても、販売量は落ち込むどころか、前年比で120%ほど売れているとか。テレビなどのメディアがコメ不足を伝える際に、美味しそうなお米の映像を流すことで、ある意味、莫大なCM効果をもたらしたのかもしれません」(メディア誌ライター)

 コメ高騰を伝えるニュースがコメ人気を押し上げているとは、皮肉な話かもしれない。

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