アップルVSフォートナイト、「手数料300億円」をめぐる泥沼ゲームバトルの行方

 8月14日、Epic Gamesの人気ゲーム「フォートナイト」が、Appleの「App Store」とGoogleの「Google Play」からガイドライン違反を理由に削除され、Epic GamesがAppleとGoogleを提訴する事態に発展。ネット上でも様々な論争が巻き起こっている。

「フォートナイトが両ストアから削除された原因は、同ゲームがストアを介さない独自の課金システムを導入したことによるもの。このシステムが適用されたことでAppleとGoogleには利用料として徴収している売上の30%が入らなくなったことから、ガイドライン違反によって削除したわけです」(ゲームライター)

 Epic Gamesはフォートナイトがストアから削除されると準備していたかのように即座にAppleとGoogleを提訴。さらに、Appleの有名なCM“1984”のパロディ動画をゲーム内などで公開し、「Appleは市場を支配する大企業になっており、競争やイノベーションを抑制している」と攻撃。これにネット上では、《利用料が売上の30%は確かに高すぎる。これにより一番被害を被っているのはユーザーだ》《利用料を理解した上でゲームをリリースしたはずなのに、あとから勝手な課金システムを作ったり、ユーザーを扇動するような行動を取るのは卑怯だ》など様々な意見が寄せられている。

「Epic Gamesがストア側に反旗を翻したのはこれが初めてではありません。18年には30%を徴収していたPCゲームストアの『Steam』の利用料が高すぎるとして、自社の取り分を12%とした『Epic Games Store』をスタートさせています。モバイル版フォートナイトの売上はこの2年で1000億円を超えたと見られており、つまり手数料だけで300億円が発生していることになるのです。当然、Epic Gamesは手数料を抑えたいという考えがあるでしょうし、AppleやGoogleも一時的に削除しているとはいえ、フォートナイトの“利権”を逃すまいと考えている。今後もストア側とソフト側の激しいやり合いが続くのではないでしょうか」(前出・ゲームライター)

 バトルの行方やいかに。

(小林洋三)

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